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重機移植工法

このページでは、造園工事の施行に際して、土木施工管理士であれば把握しておきたい重機移植工法について紹介しています。工法が持つ多くのメリットや施工手順、施工事例などをみていきましょう。

重機移植工法とは

重機移植工法は、ブルドーザー装着型・ホイールローダー装着型の重機で堀取りや運搬、植付を行う作業です。自然にあまりダメージを与えない、優しい工法として知られています。

掘取り作業から植付作業までのプロセスを効率よく進められ、スピーディーに工事を完了できるので工事を実施する季節を選びません。市街地エリアの既存木の再設置や里山の設置などをおこなうときに、この重機移植工法が採用されています。

重機移植工法のメリット

樹木の移植をおこなう上で、多くのメリットがある重機移植工法。おもなメリットとして、次のようなものがあげられます。

自然樹形をキープできる

根鉢周りの掘削をおこなわず、根鉢ごと大きく取るので、自然樹形を損なわずに移植できます。また、樹木を立てたままの状態で運搬することが可能なので、枝を折るなどする必要もありません。

スムーズな生態系の再生が可能である

根鉢と周期の植生基盤にダメージを与えずに運搬・移植するのがこの工法の特徴です。つまり、樹形を取り巻く環境一体をそのまま移植できるわけです。その結果、樹木の活着率がアップし、生態系の早期再生が可能になると考えられています。

経済的である

工事を短時間で完了させることができるので、コストをおさえやすくなります。そのため、工事を発注した側にとってのメリットも大きい、経済的な工法であるといえます。

幅ひろい用途に利用できる

重機移植工法は、次にあげるようなさまざまな用途・シーンに利用可能な工法です。

  • 緑化資材として伐採樹木を活用するとき
  • 緑地帯として再活用するとき
  • 道路や公園などを改修するときに必要な移動作業をするとき
  • 防風林などを早期造成するとき
  • 林間ゴルフコースを造成するとき
  • 規模の大きな並木道を再生するとき

重機移植工法の施工手順

  1. 重機に専用アタッチメントを付け、フォーク状のツメ部分で根鉢を抱え込むようにしつつ、樹幹をアタッチメントに固定する方法で、掘り上げ作業をおこないます。掘り上げた根鉢は、樹木を立てた状態のまま、植先まで運ぶことが重要です。
  2. 植付作業に移ります。運んできた樹木を、そのまま植穴に降ろします。埋め戻しは、バックホウを使っておこないます。このとき、同時に潅水も実施しましょう。掘り上げからここまでの作業を終えるまでのプロセスを、必要な回数繰り返します。
  3. 最後におこなうのは養生です。植付のあと、樹木に支柱を取り付けておきましょう。必要であれば、幹巻・剪定などもおこないます。

重機移植工法の施工事例

  • 立川基地跡地関連地区内でイチョウと山桜を移植する工事で、重機移植工法が採用されました。
    15m級の高さがあり、かつ幹周2~3m級のものが6本ほど移植されました。
  • 国文都市地区内でおこなわれた緑地植栽工事で、重機移植工法が採用されました。この工事で公園予定地と調整池法面へと移植された樹木は、コナラ・ヤマザクラ・アラカシ・ソヨゴなどです。幹周180㎝以下のもの約36本と根株役700株です。

参照元:東武緑地株式会社(https://www.toburyokuchi.co.jp/landscape/equipment/)

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