このページでは、転圧について解説しています。作業内容のほか、転圧をおこなう際に使用する機械、ふまえておくべき注意点、そしてやや混同しやすい「締め固め」と「転圧」との違いなどをみていきましょう。
転圧は、土木施工管理技士がおこなう仕事内容にふくまれます。将来的に1級の土木施工管理技士資格を取得し、ステップアップしていきたいと考えている方にとって参考になる情報をまとめました。
ローラーなどの機械を使用して締め固めをする作業のことを、転圧といいます。土・砂・アスファルト舗装などを安定させることが、転圧のねらいです。
転圧は、さまざまなシーンでおこなわれている作業です。たとえば、家屋の土間打ち作業において、土を均して砂利を敷き詰めた後、圧力をかけていく作業も転圧です。あるいは、庭を造成する際に敷いた砂利の体積を、転圧によって小さくすることで落ち着かせる場合などもあります。
転圧作業の際に使用されるおもな機械として、次のようなものがあげられます。
プレートの上に設置されている起振機が振動することで、空気を押し出して固めながら自走する、手押しタイプ機械のことを、プレートコンパクターといいます。アスファルト舗装の路盤や路床などにしばしば使用されます。ただ、締め固める力はそれほど強くないので、表層のみを固める作業に適しています。
プレートの上に設置されたエンジンシリンダーの回転による上下動およびスプリングの反動で、振動を増幅させていく原理になっている機械を、ランマ―といいます。上述の プレートコンパクターよりも小さなプレートではありますが、パワーはこちらの方が強いです。おもに狭い施工現場で活躍する機械です。ガスや上下水道、通信ケーブル工事の埋め戻し作業などにおいて重宝されます。
前後にローラーが設置された機械です。ローラーの重さを利用して押し固めていきます。ちなみに、「マカダムローラー」は前に2輪、後に1輪、それぞれローラーが設置されています。
鉄製のローラーとゴム性のタイヤが設置されています。両方の特徴を活かして使用されます。
ローラー部分に空気が入ったタイヤが並んでいる構造になっています。散水機能があるので、水締めを併用した押し固めが可能です。
ハンドガイドローラという名称のとおり、手で押して使用することができます。小回りがきくため、充分な広さがない道路などの工事でも使用可能です。
これは転圧用に設計されているの機械ではありませんが、転圧に使われる場合もあります。
転圧するときは、必ず均等に転圧するようにしましょう。圧力にバラつきがあると、どうしても強度不足などのトラブルが起こりやすくなります。場合によっては、のちのち改良工事をしなくてはならない事態などを招きかねません。均等に転圧をおこなうためには、事前の下調べが重要です。施工現場を調査して、実施すべき作業や使用する機械をしっかりと確認しておくことが重要です。
作業が何日間にもわたるときには、養生を徹底しておこなうのを忘れないようにしましょう。特に、雨には要注意です。水分が浸み込むことで、地盤が崩れたり、工事自体の品質が下がったりするなどの状況に陥ってしまう可能性があります。雨風は工事の敵であるという認識を持って、しっかりと養生をしておくようにしましょう。
両者とも、圧力を加えて密度を高くするためにおこなわれる作業であるため、どうしても混同されがちです。混同を避けるためにひとことで表現するのであれば「転圧は締め固めのひとつ」となります。
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