日々の暮らしに、決して小さくない影響を与える水道水。生活に密接な関連性がある水道について、適切な管理や敷設をしていくための法律として「水道法」が制定されています。
こちらでは、水道法の概要や水道を取り巻く現状・課題、そして水道民営化への流れなどを解説しています。水道に関わる工事に携わるときには、施工管理に携わる立場から、こういった法律についてもしっかりと把握しておくことが大切です。
水道を適切に管理したり、水道の敷設を適切におこなったりするための法律です。給水装置や配水管などをどこに設置すべきなのか、その場所について定められています。また、給水装置の構造・材質についても、一定の基準が設けられています。ちなみに、水道法において「水道」とは、導管その他の工作物であり、飲用に適した水を人々に供給するための施設の総体であることが定義されています。
水道基盤の強化を通じて、よりきれいな水を供給できる体制をととのえることが、この法律が必要とされる大きな理由のひとつです。きれいな水の供給は、公衆衛生の向上に加え、生活環境の改善にもつながります。
水道は人々暮らしに直接的な影響を与える存在です。また、水はとても重要な資源であるため、水源や水道施設を清潔に保つための管理・水道に関する施策は、国や公共団体などが実施しなくてはならないという旨も水道法の中で述べられています。
日本の水道普及率は非常に高いため、現在では水道拡張整備というよりもむしろ、既存の水道の基盤を強めていくことに力を注ぐべき段階に達しています。そんななか、対応が求められるいくつかの課題が浮上してきています。そして、その課題の原因となっているのは、水道を取り巻く現状であるといえます。
高度経済成長期の時代に、次々と水道が整備されていきましたが、現在、その水道施設の老朽化が進んでいます。老朽化を原因とする漏水や破損事故などが頻発しているという問題があります。全体の水道管路のうち、耐用年数をオーバーしてしまった水道管路が占める割合が年々増加を続けており、早急な対応が必要な事態になっています。
水道事業者の多くは、それほど規模が大きいわけではないため、どうしても経営基盤が脆弱になりがちになる問題を抱えています。小規模事業であれば、当然職員の数も少ないわけです。その結果、資産管理および危機管理にしっかりと対応できる体制が充分には整っているといえない状況になります。そして、小規模事業者が多いことの背景には、水道事業が、市町村単位で運営されているケースが多いという構造があります。
今後、さらなる人口減少が予想されている日本では、水道事業の運営状況の悪化が続くと、水道サービスの継続自体が困難になってしまう可能性も、ゼロではありません。
水を安定的に供給できなくなったとしたら、それはとても深刻な問題です。そういった状況に陥ることを回避し、水の供給をしっかりと維持していくためには、どうしても水道事業の基盤強化が欠かせないわけです。そこで生まれつつある流れが、水道民営化の検討であるといえます。
水道民営化により、次のようなメリットを得られることが予想されます。
多くのメリットがあると考えられる水道民営化ですが、いくつかのデメリットもあります。主なものとして、次のようなものがあげられます。それぞれの可能性について、しっかりと検討していくことが大切です。
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