土木業界の女性進出を国・業界全体が支援
最近はどの業界においても女性の進出が著しいですが、土木建設業界でも女性の進出が進み、土木女子(ドボジョ)、建設小町といった言葉も誕生しています。体育会系で男性社会のイメージがある土木業界ですが、女性比率は3%、人数にすると約10万人が活躍しています。
国土交通省がドボジョのPRをおこなうなど、業界全体で女性の活躍を歓迎している状況。先輩も多いので、これから挑戦しようと考えている女性にとっては、いいタイミングといえるでしょう。
平成27年度時点での建設業で働く“男女比”は男性約80%以上に対し、女性は約20%ほど。土木建設業界においては、男性の割合が圧倒的に高く「男社会」が今なお続いています。
しかし、厚生労働省の調査によると、建設業界全体での就業者数が減少するなか、平成23年度より女性就業者数は増加傾向にあり、平成26年にはその数75万人に上ります。年々と女性の割合は増えているといえるでしょう。
ただ、増加傾向にある建設業界の女性就業者数ですが、これらを全産業や製造業との「比率」で見てみると、依然として低い状況に変わりはありません。
今まで女性が働くイメージが少なかった土木業界ですが、女性進出が進まなかった理由の一つとしてトイレや更衣室などの環境整備が進まなかったことが挙げられます。しかし、最近、国では女性の起用に力を入れており、現場に女性専用更衣室やトイレを設置する計画を挙げると加点対象にするなど、女性起用の後押しをしています。こうした背景もあり、女性専用施設を設ける企業も増えてきており、女性が働きやすい環境がどんどん整ってきています。
土木というと体力勝負なイメージがありますが、施工管理の業務は直接作業を行うわけではないため、体力面でのハンデはあまりないでしょう。逆に、コミュニケーション能力の高い女性は現場を取りまとめるのに向いているという意見もあります。
男性との違いは確かにありますが、逆に女性ならではの強みを活かした働き方に注目が集まっています。既に活躍中の女性も増えていますので、これから挑戦するのも全く問題ありません。
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男性優位の仕事というイメージが未だに残る建設業界ですが、実際に働いている女性たちは、この業界で働くことについてどのように感じているのでしょうか。体験談をまとめています。
女性が現場に入るだけで、年上の職人さんから「女なのに」だとか、「建設業なんてもの好きだね」と言われることは珍しいことではありません。しかし、頑張ったぶんだけそれが形となって返ってくる仕事だと思います。自分が携わった建物はいつまでも残り「これを自分たちが作ったんだ!」と誇りに感じます。同じ建築物を造ることは二度とないので、いつも新鮮な気持ちで仕事にチャレンジすることができ、刺激的な仕事だと思います。
女性は制服や保護具が体格に合わなかったり、更衣室やトイレなど女性用のものがないため不便を感じることは必ずあると思います。建設業界に興味がある女性は、「女性歓迎」と求人情報に書かれている企業を中心に目指してみるのも一つのポイントかもしれません。女性歓迎の企業であれば、既に女性社員が現場で活躍していたり、職場環境も女性用のトイレが完備されていたりと、女性が働きやすい環境が整っている可能性が高いと考えられます。
施工管理で大切なのは「周りの信頼を獲得し、動かしていく」というスキルです。現場の職人・設計者・企業のお客様など、様々な人と関わりながら仕事をするので周囲とのコミュニケーションは必須です。女性に厳しいイメージのある業界ですが、女性だからこそ大目にみてもらえたり、職人も優しく接してくれたりすることもあるのは事実。悪いことばかりではありません。
参考URL:「建設労働者を取り巻く状況について」-厚生労働省
女性の施工管理技士のなかには、産休を経たのち、時短勤務として以前と同じように施工管理の仕事を続けている人もいます。子育てと仕事の両立は、家族はもちろん、職場の上司や現場のスタッフも含めて、様々な関係者に支えてもらっている、という実際の女性の施工管理技士の声も聞くことができます。「2、3年の間隔で建設現場が変わってきますが、私は4つめの現場です。現場では様々な方々から声をかけていただき、協力をしてもらっていますね。」
女性の施工管理技士でも現場仕事だからといって身構える必要はありません。出産後、時短勤務などを導入することで女性の施工管理技士が活躍できる環境を整えているような企業も登場しはじめていますし、なにより、女性の存在は、建設現場の雰囲気を良くすると喜ばれるようにも変わってきています。思い切って現場に踏み込んでみれば、女性が抱いている土木建設や施工管理技士のイメージも変わってゆくことでしょう。
建設業界そのものが、かねてから「男社会」と言われがちです。現在でも、建設業界で働く女性は全体の約10%という状態ですから、圧倒的に男性の方が多い業界ですね。しかし、近年では、女性が施工管理技士を目指すケースも増えています。そんな女性の声としては、「小さい頃から施工管理技士の父親の背を見ていたため、カッコいいと憧れをいただいていた」、「土木工事の企業に就労している友人に影響され、現場の仕事に憧れて転職をした」といったものがあり、他業界の仕事を選ぶのと同じような感覚が広がっているのです。
施工管理技士といっても建設業界で働くことに違いはありませんから、人にとっては、女性が建設現場で働くことに心配や不安を感じてしまうこともあるかもしれません。ひょっとしたら、恋人や彼氏、夫から施工管理技士として働くことに反対される可能性もあるでしょう。建設業界は「3K」や「危険」というイメージがどうしてもあるためです。こういった反対の声を受けてしまった場合は、家族や恋人、夫が反対している理由を理解し、その不安を解消できるように説明することがポイントになってきます。自分がなぜ施工管理技士として働きたいのか、自分自身の夢や憧れをわかってもらえるように伝えることができれば、身近な人からの反対に対して、理解を求めることができるでしょう。
求人サイトなどから、実際にドボジョを募集している求人をピックアップしてみました。資格が活かせる会社や、未経験OKの会社など様々な企業を集めましたので、参考にしてください。
勤務地 | 埼玉県のみ |
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応募条件 | 1級・2級土木施工管理技士の保有者優遇 |
仕事内容 | 官公庁発注の土木工事現場管理業務 |
年収例 | 30代 600万円 40代 660万円 |
備考 | 参照元:リクナビネクスト ノー残業デーなど働きやすい環境で、女性も活躍中とのこと。転勤がないので、家族を持つ女性も働きやすそうです。 |
勤務地 | 福井県 |
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応募条件 | 2級土木施工管理技士以上、土木現場経験者 |
仕事内容 | 北陸新幹線トンネル工事の土木工事現場管理業務 |
年収例 | 30代 440万円 50代 720万円 |
備考 | 参照元:施工管理LABO 現場経験が必要ですが、土木であれば工種は問わないので転職で狙いやすいです。遠方からの転職に備え宿舎も用意してくれます。 |
勤務地 | 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県など関東中心 |
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応募条件 | 土木または建築業界での経験必須 |
仕事内容 | コンクリート構造物の土木施工管理 |
年収例 | 30代 680万円(資格者) 40代 850万円 |
備考 | 参照元:マイナビ転職 建設業界での経験必須ですが、土木に限らないため、他業種から転職しやすいです。残業がほぼないのもうれしいポイント。 |
勤務地 | 首都圏を中心に全国 |
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応募条件 | 未経験可 |
仕事内容 | 多ジャンルの土木施工管理業務 |
年収例 | 20代 380万円 50代 792万円 |
備考 | 参照元:マイナビ転職 土木未経験も募集していて、新卒と同じようにじっくり育ててくれるようです。様々なジャンルの工事経験を積めます。 |
勤務地 | 埼玉県、茨城県 |
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応募条件 | 1級または2級土木施工管理技士 |
仕事内容 | 現場管理及び重機オペレーター |
年収例 | 20代 380万円 40代 600万円 |
備考 | 参照元:求人ジャーナルネット 土木現場での管理業務に加えて、重機オペレーターとしても活躍可能。女性専用更衣室など環境整備もありです。 |
国や自治体が土木業界への女性進出を後押している今は、女性にとって大きなチャンスです。求人数も徐々に増えてきていますので、土木施工管理技士への転職を目指している女性はぜひ勇気を出して飛び込んでみてください。
世間では、「ドボ女」という言葉が出来るほど、土木業界での女性の活躍実績や活躍の場が多くなっています。
弊社も積極的に女性の採用を推進しており、技術者総数900名の内、女性技術者が40名所属しています。今後は、情報化施工が推進され、労働環境の改善が図られる事により、今まで以上に女性が土木業界に入り易くなる環境が整ってきます。
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建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで21年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2023年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2023」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。