ずい道等の覆工作業主任者は、トンネルなどの地下構造物の建設現場で活躍するプロフェッショナルであり、現場の作業監督者として全体を指揮します。このページでは土木施工管理技士とずい道等の覆工作業主任者の違いをまとめました。
ずい道等の覆工作業主任者は労働安全衛生法によって定められる国家資格の1つであり、地下トンネルのようにコンクリートを使った大型の地下構造物を建設する際、コンクリートを流し込むための型枠を安全に組み立てて管理したり、コンクリートを流し込んだ後で解体したりする作業の責任者です。
そのため、ずい道等の覆工作業主任者はコンクリート打設を伴う地下構造物の施工に関して現場を指揮する作業監督者として活躍しており、作業員の安全確保や作業計画の策定、工程の進捗管理などをトータルでマネジメントしています。
土木施工管理技士が土木工事の建築現場で管理者として働く一方、ずい道等の覆工作業主任者は特にトンネルなど地下構造物の工事やコンクリート打設で活躍することがポイントです。
「ずい道(隧道)」とは「トンネル」を意味しており、トンネル工事において作業責任者として多角的なマネジメントを行うことが、ずい道等の覆工作業主任者の仕事内容です。
具体的には、トンネルの建設工事を行う現場を調査し工事計画を策定します。また、作業環境に合わせた準備や点検を行い、工事中のリスクや災害に対する危険予知活動を実施します。作業員に対して安全教育を行い、トンネル工事のコンクリート打設において一連の流れを指揮・監督し、進捗をチェックしながら安全かつスムーズな作業をマネジメントします。
このように、ずい道等の覆工作業主任者はトンネル工事に関して全体を適切にコントロールすることが仕事です。
ずい道等の覆工作業主任者は国家資格であり、資格取得には厚生労働省が指定する講習を受講し修了試験に合格しなければなりません。講習の受講については特殊な資格が設定されておらず、未経験者でも受講可能です。
ただし講習ではトンネル工事に関する安全管理の知識や覆工作業の管理方法など様々な事柄を学ぶため、専門性が高く全くの未経験者にとっては難しいと感じるかもしれません。
ずい道等の覆工作業主任者の資格を取得する最大のメリットは、トンネル工事において欠かすことのできない安全管理者や作業監督者として現場で従事できることです。
地下にトンネルなどを施工する工事では常に崩落などのリスクがあり、現場の安全管理は作業員の命を守り、工期通りに施工を完了する上で必要不可欠な要素です。
ずい道等の覆工作業主任者はそういったニーズに対して必要かつ専門的な知識やスキルを備えているプロフェッショナルであり、トンネル工事などの公共工事においても高く評価されます。相応の立場で働けるチャンスが広がり、収入面やキャリアアップの面でもメリットがあります。給与交渉や転職においても有利に働くことが多いでしょう。
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