ヒヤリハット報告書は意味合いを知った上で進めることが大切です。今後の仕事を変えるヒヤリハット報告書の作成方法についてご紹介します。
そもそもヒヤリハットとは、危機一髪で事故やケガなどを免れた事例を指します。たとえば、以下のような事例がこれにあたります。
ヒヤリハット報告書とは、上記で示した通り「ヒヤリ」とした、「ハッ」とした出来事を報告する書面です。日常生活においても、危機一髪で事故を免れたという経験はよくあるでしょう。これらが、大きな機械を扱う現場などで起こると、荷物などの破損のリスクはもちろんのこと、人身事故などにもつながりかねません。
そこで、安全管理や労働災害防止を目的として取り組み、ひいてはヒヤリハットの再発防止を目指すためのものです。
「ヒヤリ」とした、「ハッ」とした出来事を、作業員を含め社員全員が共有し、なぜそのような状況になったのか、どうすれば防げたのかといった分析を行うために欠かせない大切な文書と言えるでしょう。
では、ヒヤリハット報告書の作り方を解説します。
ヒヤリハット報告書もフォーマットはインターネットなどで調べれば出てきますが、基本的に記載しておいた方がいい事項を確認していきましょう。
このように記載すると、非常にシンプルなヒヤリハット報告書になりそうですが、大前提として労働災害防止を目的としたものであるため、現場状況が分かるように詳細に記述する必要があるでしょう。具体的な報告書の例をご紹介しますので参考にしてください。
上記に加えて現場の図面などがあれば、なお分かりやすいでしょう。
ヒヤリハット報告書は事例を共有するだけではなく、ヒヤリハット事例が起こった原因と対策、最悪の事態も記載する必要があります。これらが合わさって共有されることで、同じような事例発生の予防につながります。危険予知意識が高められ、ヒヤリハット報告が活きてくるでしょう。
では、ヒヤリハット報告書を作るときに気を付けたいポイントをご紹介します。
ヒヤリハット報告書を作成することで、別のヒヤリハットを防ぐためにはただ作成するだけでは不十分です。作成する前に、しっかりとその事例を分析する必要があります。
特に原因を明確にすることが再発防止には欠かせません。表向きの原因ではなく、作業員の5Sの不徹底や睡眠や心身の疲労といった問題が隠れているかもしれません。それであれば、隠れた原因を正さなくては、同じことが起こってしまうでしょう。つまり、直接的、間接的な原因を考察することが大切です。
5W1Hで情報を整理した上で、客観的な事実に基づいた情報を記載するようにしましょう。
情報が整理されていないと、情報が錯綜してしまい分かりにくくなります。また、主観が入ってしまうと事実が捻じ曲げられてしまうので注意が必要です。さらに、誰にでも分かるようにするためには、できるだけ専門用語は避け、補足を加えることをおすすめします。
再発防止のためには、発生後できるだけ早く報告書を作成するスピード感も忘れないようにしてください。
ヒヤリハット報告書は、上長が主体となってやるだけでなく、現場のリーダーなども率先して取り組むことが大切です。単に、ヒヤリハット報告書を作成するだけでなく、目的を理解して行うことが労働災害防止につながります。土木施工管理技士は、現場を適切に管理するためにヒヤリハット報告書などの資料作成も重要な業務の一つです。そういった意味では、土木施工管理技士は責任があるからこそ、やりがいを感じられる仕事だと言えるでしょう。
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