こちらでは、CADソフトのひとつである「Tfas」について解説しています。土木・建設業界において使用されているソフトなどのトレンドを把握しておくことは、土木施工管理技士としてステップアップしていく際にもプラスにはたらくでしょう。業界の進化についていくためにも、ぜひ参考にしてみてください。
空調衛生設備や電気設備専用のソフトとして開発されたTfas。このCADソフトは実際、そういった施設現場で多く導入されています。空調衛生設備や電気設備のプロジェクトに携わっていきたい方は特に、Tfasを使えるようにしておくことをおすすめします。
「AutoCAD」「Jw_cad」などの2次元CADと異なり、Tfasは3次元CADです。作図をする際には、施工時に入り組んだ部分などにぶつかることのないように気を付ける必要があります。Tfasを使用して作図をすれば、それほど苦労せずにそういった問題点をクリアできる設計できます。
シンプルで操作しやすいソフトとして知られるTfasは、コマンドを選択しなくても、図形上のハンドルを操作すれば、移動・複写といった編集作業が簡単にできます。
図形全体の文字については、全半角変換・文字置換・文字を一括変更すれば修正が可能。文字を記入したり編集作業をしたりするときにも図面内の文字列を選択できます。
建築図が変更になった場合、シートの差し替えに手間取った経験がある方もいるのではないでしょうか。Tfasなら、建築図と設備図のシートを分けておけるので、変更時に手間がかかりません。
面や立体形状を組み合わせて3D形状を作成すれば、5面図登録や電気部品のユーザー3D形状などの登録ができます。2D図面で作成したものであってもリアルタイムに3Dに反映させられるところも注目ポイントです。
空調設備の設計をする際に必要となる機能が、豊富に搭載されています。
コマンドの切り替えをしなくても、末端までスムーズに作画できます。機器に配管やダクトを接続したい場合は、接続口に自動で接続できるので、とても便利です。また、用途ごとに使用する色を分けをしたいときいには、ダクト・配管にペイントを自動で付加することもできます。
機器配置時には、機器と連動した機番を同時に配置できます。また、配置済みの部品や部材を指示して同一部品や部材を素早く配置できたり、指定した風量や風速で計算したサイズの制気口を配置したりすることが可能です。
静圧計算や揚程計算などの結果をExcelに出力するのも可能です。計算ルートは2Dと3Dのいずれも対応しています。
冷媒管の曲がりの大きさを設定したり、分岐を自動発生させたりできます。
バルブやダンパなどといった部材を挿入したいときには、サイズを直管から自動で取得可能です。
配管やダクトのアイソメ図を作成でき、アイソメ図から材料表を作成することもできます。
電気設備の設計に使用する機能も充実しています。
器具についてのイメージ表示やリスト表示などについては、一覧から選択します。また、器具を配置するときは3D形状を選択し、プレビューで確認できます。
配置後の複数の器具を拡大・縮小・置換したりする操作は一括でおこなえます。移動や変更、削除をかけると、接続された配線も自動的に修正されるようになっています。
建築図を変更するなどして壁が移動した場合には、壁付器具の修正漏れがないかどうかを確認できます。また、部品が図面の文字で見えなくなってしまっていても、その確認もできます。見落としによるミスを起こりにくくできる、便利な機能だといえます。
接続情報によって器具への配線は自動的に接続されるようになっています。配線を作図する場合には「配線省略」を付加すれば、「エンド伏せ記号」が配置されます。
業界内では、それぞれの分野に適したCADソフトが導入されています。ただし、設備設計において、複数の企業間でデータを共有しながら打ち合わせするシーンなどでは、ソフトが違うと仕事を進めにくくなってしまいます。ですから、自社で使用しているソフトと相手の会社が使用しているソフトに互換性があることが理想的です。
その点、Tfasであれば、他のCADソフトとの互換性が高いので、仕事をスムーズに進めやすくなります。ただ、すべてのソフトとの間に互換背があるわけではないため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
設備系の設計専用に開発されたソフトですから、設備設計における業務効率をアップさせることが可能です。空調設備や電気設備のシンボルがはじめから登録されていたり、2次元と3次元の両方に対応していたりするところなどからも、その使い勝手のよさがわかるでしょう。
設備関連の設計に関する仕事が多い方にとって、特にメリットの多いCADソフトであるといえます。
Tfasを操作するためのスキルを身に付けておくと、転職をする場合なども、有利にはたらくと考えられます。
たとえば、自己アピールをするときに、他の転職希望者との差別化を図るという意味でも、意匠設計ではなく、設備設計などを得意としていることは強みになりやすいです。建物のデザインを手掛ける意匠設計には華やかさがあるため、人気が高いです。一方、設備設計や構造設計は、いわば裏方のような役割があるため、どうして地味に感じられることもあり、人気や知名度はあまり高くありません。
そういったニッチな分野だからこそ、あえて、その分野のスペシャリストになることで業界内にける市場価値を高めやすくなるのです。そして、設備設計に特化したTfasの操作に関して高いスキルを身に付けていれば、希望の転職先からも注目される可能性が高くなります。
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