PRIDE~次世代へつなぐ 土木施工管理技士の新しい働き方 » 【2019】おさえておきたい土木建設業界「旬ワード」 » 無電柱化推進計画

無電柱化推進計画

こちらでは、無電柱化推進計画について解説しています。この計画の背景には、どのような事情や問題があるのでしょうか。それをふまえたうえで、具体的な計画内容についてみていきましょう。また、実施におけるメリットおよびデメリットについてもあわせて紹介しています。

電柱の役割とは

無電柱化推進計画

国内で電柱が建てられるようになったのは、明治時代からだと考えられています。電柱が特に増えたきっかけは、明治から大正にかけて実施された都市計画です。市区改正という計画に沿って、多くの電柱が設置されていったようです。ちなみに、電話用の一般供用がスタートしたのは、1889年のことです。

大量の電力消費に対応するという役割をもつ電柱。ですから、戦後の経済発展にともない、さらに多くの電柱の設置が進められていきました。その後、戦後に急速な経済発展を遂げた日本は、それまでとは比較にならないほどの大量の電力消費に対応するため、無数の電柱を建てることになります。

参照元:セコカンNEXT
(https://sekokan-next.worldcorp-jp.com/column/industry/2633/)

電柱があることによるデメリット

毎年のように台風が襲来する日本にとって、実は電柱は危険な建造物であるといえます。大規模な停電の発生だけでなく、倒れてきた場合などは、おそろしい凶器となるわけです。これは、地震が発生した場合にも同様です。

また、台風や地震でダメージを受けた電線がちぎれる可能性もあります。銅線がむき出しになっているときなど、誤って触れてしまえば、感電するおそれがあり、非常に危険です。

交通事故の被害を甚大なものにしてしまう可能性もあります。衝突事故の際、運悪く電柱に激突すると、そうでない場合と比較して、死亡率は10倍にはねあがってしまいます。電柱自体が交通事故の原因というわけではなくても、電柱は、ただそこにあるだけで人々にとって凶器にもなりうる存在だといえます。

参照元:電線のない街づくり支援ネットワーク
(https://nponpc.net/whatisnonpole/)

無電柱化推進計画とは

無電柱化推進計画とは、電線などを地中に埋めることで無電柱化をはかる計画のことです。近年、無電柱化が強く推進されるようになりましたが、実際にはかなりさかのぼって昭和60年代には、無電柱化への取り組みがすでにスタートしているのです。具体的には、次のように5つの方式があります。

【管路構造】
ケーブルをいれる管路と、分岐器を入れる特殊部で地中化する
【小型ボックス構造】
管路ではなく、ボックス内に複数のケーブルを入れる
【直接埋設構造】
ケーブルをそのまま地中に埋設する
【軒下配線】
軒下などに電線の配線をする
【裏配線】
電柱と電線を裏通りへ移設する

参照元:セコカンNEXT
(https://sekokan-next.worldcorp-jp.com/column/industry/2633/)

無電柱化推進計画のメリット

災害に強くなる

安全性や防災性の向上が、無電柱化推進計画の大きなメリットのひとつです。災害に対応しやすい社会の実現に貢献するため、台風や地震などの自然災害への脆弱性が改善されるはずです。地中に埋めておけば、倒れて道をふさいだり家屋をこわしたりすることがなくなります。復旧もスムーズにすすむでしょう。

自由な道路設計

道路上に電柱を建てると、一定の場所を占領してしまうことになり、道路を設計する際の自由度が下がります。電柱があることを前提として、設計の計算をしなくてはなないからです。

美しい景観の形成

地中に埋めてしまえば、現在よりもより良好な景観形成につながるはずです。電柱や電線が入ると、どうしても景観の本来の美しさを楽しみにくくなってしまいます。

無電柱化推進計画のデメリット

コストと時間がかかる

無電柱化における大きなデメリットとして挙げられるのが、コストと時間がかなりかかってしまうということです。地上に設置するタイプの電柱と比較すると、地中に埋めるための工事は、はるかに大きなコストが必要です。工事期間についても同様で、かなりの時間がかかってしまうとされています。

変圧器の設置が難しい

変圧器を設置するためのスペース確保が難しい場合もあります。特に、幅があまりない道だと、設置が不可能なことも。その場合には、電柱を設置せざるを得なくなります。

まとめ

今回は無電柱化推進計画の重要性および計画を実施するうえでの問題点をみてきましたが、実際には、設備の見直しが必要になってきているのはこれだけではありません。今後も、さまざまな既存のインフラ設備の見直しが検討されていくでしょう。その中で、土木施工管理技士が担う役割は大きく、したがって需要が引き続き高まっていくと予想されます。

本サイトの監修・取材協力企業

株式会社ティーネットジャパンとは

発注者支援業務において
日本を代表する企業

株式会社ティーネットジャパンは、公共事業の計画・発注をサポートする「発注者支援業務」において日本を代表する建設コンサルタントです。
建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで22年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2024年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2024」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。

株式会社ティーネットジャパン 公式サイト
引用元HP:株式会社ティーネットジャパン 公式サイト
https://www.tn-japan.co.jp/ja/
       

(株)ティーネットジャパン 全国積極採用中
求人情報をチェックする