CBR試験は、アスファルト舗装の構造設計などにおいて指標となる「CBR(路床土支持力比)」を測定する方法です。本記事では、土木施工管理技士が知っておくべきCBR試験の概要をまとめました。
CBR試験は、1982年にアメリカのカリフォルニア州交通局が提唱した「CBR:California Bearing Ratio」を測定するための試験方法です。CBRは日本語で「路床土支持力比」と訳され、路盤・路床の支持力を示す指標です。
日本では、CBRの値がアスファルト舗装の構造設計における基準として採用されており、アスファルト舗装の厚みやコンクリート舗装の構造を選定する際にCBRの測定が必要となります。
CBR試験には大きく「室内CBR試験」と「現場CBR試験」の2種類があり、室内CBR試験はさらに「設計CBR試験」と「修正CBR試験」に分類されます。
室内CBR試験は現地で採取した試料を使って室内環境でCBRを測定する試験です。一般的にCBR試験といえば室内CBR試験を指すことが多く、「設計CBR試験」と「修正CBR試験」の2種類があります。設計CBR試験は舗装厚の決定に、修正CBR試験は現場で使用する路盤材料の選定に用いられます。
室内CBR試験の方法はJIS規格で定められており、それぞれの目的に応じた試験を実施する必要があります。設計CBR試験、修正CBR試験ともに、最悪の条件を想定して行うことが重要です。
設計CBR試験は、道路工事や建設工事でアスファルト舗装やコンクリート舗装を行う際に、現地の路床の支持力を調べ、適切な舗装厚を決定するために実施される試験です。
試験では、現地の地盤から採取した自然含水比状態の土を内径15cmの突固め用モールドで供試体を作成します。この供試体を水に浸した後、規定の条件でピストンを使って貫入させ、支持力を測定します。
設計CBR試験で現地の路床の支持力を判定した後、実際の施工に向けて十分な路床や路盤の支持力を確保できる適切な路盤材料を選定する必要があります。そのため、対象地盤に適した路盤材料を決定するために修正CBR試験を行い、CBR値を測定して最適条件を検討します。
現場CBR試験は施工業者の品質管理や施工管理の一環として、現地で実施されるCBR試験です。
現場CBR試験も路床や路盤の支持力を測定・評価する点では室内CBR試験と同様ですが、「室内CBR試験用の試料採取が困難な粗粒材の場合」や「現場の条件を乱すことで極端に状況が変化する場合」に実施されます。
なお、室内CBR試験と現場CBR試験では結果が必ずしも一致しないことに注意が必要です。
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