3Dプリンターとは、ソフト上で設計した立体物を、スライスされた層を蓄積することで作り上げていくマシンのこと。一般にプリンターとは、ソフト等からの指示によって2次元のもの(絵や文字、設計図など)を作り上げる機械ですが、3Dプリンターは、ソフト等からの指示によって3次元のもの(立体物)を作り上げる機械となります。 プリンターで立体物を作ることができるようになったことで、建設業界を含め、様々な業界において革新が起こりつつあります。
ソフト上での設計を忠実に立体として再現することができる3Dプリンター。その再現性の高さは、熟練の職人でも実現できないほど精度の高いものです。高品質の立体物を安定的に量産できる可能性がある点において、建設現場では3Dプリンターの活躍が大いに期待されています。
また、3Dプリンターを広く導入することで、工場や建設現場での人的な作業量が減ることが予想されます。本来は人が行っていた作業を3Dプリンターが代行してくれる状態が定着すれば、建設業界における人材不足の問題解消にも大きく貢献するのではないでしょうか。
建設業界に3Dプリンターを導入することで、主に次のような効果が期待できます。
まだ日本の建設現場における3Dプリンターの導入は始まったばかりですが、将来的に徐々に普及・拡大していけば、より多くの効果が発見されることでしょう。
日本の建設現場における3Dプリンター技術は、まだまだ発展途上と言わざるを得ません。実用性が高いと期待されている3Dプリンターによる住宅建設においても、建築基準法における耐震基準を満たせない可能性や、都心部では建築スペースの問題などがあり、当面は実用化が難しいようです。
土木建設現場においては、2021年6月、前田建設工業株式会社と株式会社Polyuseとの共同研究により、3Dプリンターによる集水桝の造形に成功。これが、建設現場における3Dプリンターを活用した日本初の事例となります。
日本の建設現場において3Dプリンターが大活躍するには、まだ多くの課題をクリアする必要があるでしょう。
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