潜水士は、水中での作業を担う職業です。救助活動以外に建築や海洋インフラ分野でもニーズがあります。ここでは、潜水士について、仕事内容やなり方、就職先、給料、将来性などをまとめました。
海や河川、湖、下水、ダムなど、水の中に長時間潜って、建築や海洋調査など作業を行うのが潜水士の仕事です。作業中は潜水機やボンベを使用します。
海難救助、魚介類の採取、船舶の修理、沈没船の引き上げ、ダイビング指導、水中撮影、水族館における水中での餌やりなども潜水士の業務内容です。
水の中に潜るには、安全のために専門知識と技能を身につけなければいけません。国家資格である「潜水士」の免許取得が必要です。
潜水士に「救助活動」のイメージを持つ人も少なくありませんが、業務内容は実にさまざま。そのため、潜水士の資格以外にも、業務に必要な資格や技術を身につける必要があります。
潜水士になるためには、水の中で作業に従事するための基礎資格として「潜水士」の免許取得が不可欠です。18歳以上であれば、学歴などの受験資格はありません。高校生でも取得可能です。
潜水士は、潜るための技術を身につける免許なため、実際の業務では、潜水士資格に加えて業務内容に応じた技術が必要になります。潜水士免許だけでは、仕事はできません。
たとえば、建設作業を行う業務の場合、陸上の作業なら建設作業の手順を習得する必要があります。水中で建設作業を行う場合は、潜水士免許に加えて建設作業技術が必要ということです。
一人前の潜水士になるには長い時間がかかります。最低でも10年と言われているので、覚悟を決めて、じっくり取り組むといいでしょう。
ほとんどの民間の潜水会社が免許取得から先輩の指導を受けながら技能を高めていくという教育システムを構築しています。
水中作業という難易度や危険度の高い仕事のため、給料は高め。平均年収は600~700万円ほどです。十分な経験を積んだベテランの潜水士なら、年収1000万円超も期待できます。
海上自衛隊や海上保安官も潜水士の仕事ですが、これらは国家公務員です。給料は俸給表に沿って支給されます。
潜水士は、フリーの潜水士としての活動も可能です。業務はたくさんあるため、実力があり、安定して仕事を受注できれば、企業に所属する潜水士より多くの報酬を得られる可能性があります。
建設関係の仕事は非正規の仕事も多いですが、潜水士の場合、専門的な深い知識と多くの技能が必要なことから、正社員が多いです。陸上とは難易度に大きな差があるため、水中で建設作業ができる潜水士は好待遇が期待できます。溶接や塗装、小型船舶操縦、クレーン操縦など、他の免許を取得していると、さらに手当などが加算される会社も多いです。
水中という陸上とは異なる環境で仕事できることがやりがいにつながりやすい職業です。特殊な技能が求められる仕事で、誰でもできることではないことから、潜水士にしかできない仕事をしているという自負も生まれるでしょう。
また、水中では安全対策にきちんと取り組まなければいけません。気を張って仕事をしているからこそ、仕事を終えたときの充実感は大きなものになります。
仕事の内容はさまざまですが、わざわざ水中で行う作業の多くは、人の生活や命を支える作業です。仕事に対する誇りも感じられることでしょう。
潜水士は、民間か公務員かという選択肢があります。
公務員の場合は、海上保安庁や海上自衛隊、警察、消防が候補です。救助活動や防犯、水中の軍事活動、機雷の掃討、水中での証拠採集などの仕事があります。
民間の就職先は、潜水会社や建築会社などです。建築会社に就職した場合は、社内で潜水作業の担当として活躍できます。他にも大学の研究所で海洋調査の研究をするといったケースもあるでしょう。
活躍の場は、様々です。どの分野で仕事したいか決まっていない場合は、視野を広く探してみることをおすすめします。
潜水士は特殊な仕事で一人前になるまでに時間がかかることから、人材が少なく、安定した仕事があります。
建築分野でも、溶接や切断、塗装など、様々な作業でニーズがあります。海洋インフラの構築やメンテナンスでも必要な仕事です。他の分野でも活躍できるフィールドは多くあるため、潜水士のニーズは高く、将来も明るいと言えるでしょう。
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