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とっておきたい土木業界の資格

土木施工管理技士の資格と、建設業界の土木分野で働いていくのに役立つ、おすすめの資格について解説していきます。

土木施工管理技士って、どんな資格?

土木工事現場で施工管理を行う技術を測る国家資格

工事現場には正しく使わないと危険な機材もあり、また、多くの人が働くために法律的な労働基準が守られているかチェックする仕事も必要になります。

そして、すべてがきびしい法律の規定に準拠して行われていくのが工事現場のルール。それを総合的に管理していくのが施工管理の仕事であり、とくに土木現場において施工管理を行う人の技能を検定するのが国家資格の1級・2級土木施工管理技士です。

土木施工管理技士資格を取れるのは、どんな人?

土木施工管理技士資格はだれでもが受験できるわけではありません。細かく規定された受験資格を満たした人だけが挑戦できる資格です。

1級・2級それぞれに、1.最終学歴で何を専攻したか、2.そこでどんな資格を取得したかによって、その後必要な実務経験年数が細かく定められています。そして、規定された実務経験を完了して、はじめて受験が認められます。

受験科目は学科と実地に分かれていて、両方で60点以上取得した人が資格認定され、1級・2級の土木施工管理技士として業務にたずさわれます。

資格を取得するチャレンジ精神を持つのはいつでも遅くありません。

資格取得へのアドバイスも載っているこちらの現役土木施工管理技士へのインタビュー記事も参考にしてみてください。

現役土木施工管理技士への
インタビュー記事を見る

1級と2級の違いは何?

土木施工管理技士には1級と2級がありますが、まず2級を取って、つぎに1級を取得する順序にこだわる必要はありません。受験資格さえ満たしていれば、はじめから1級にチャレンジしてもいいですし、また、1級と2級を同じ年に受験するのも可能です。

1級の取得者は「監理技術者」として施工監理を行えます。一方の2級は「主任技術者」として働けます。2級は土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3種類の資格があり、1級は土木工事全般を管理する法的権利が認められています。

土木施工管理技士は転職に有利?

結論からいえば「断然有利!」です。理由は明解!建設会社にとって非常に重要な営業手段である公共工事の入札の際、社内に1級・2級の土木施工管理技士がいると、1級1人につき5点、2級1人につき2点が評価基準にプラスされる規定があります。

つまり、土木施工管理技士の人数が、そのまま会社の評価に直結して受注も得られます。建設会社としても、他の職種以上に多くの人数をそろえておきたい職種なんですね。

大学や専門学校で土木を学び、実務経験を積んできた技術者にとって、収入増と、新たな機会をもたらすきっかけとなるのが、土木施工管理技士資格の取得といえます。

現場で役立つ、土木建設で取得したい資格

技術士

技術士イメージ

土木業界のキャリアアップには必要な資格

技術者にとって最高峰の国家資格が技術士です。試験は一次と二次に分かれており、とくに二次試験の難易度は高く、数ある技術系の資格のゴールとも言われているほど。資格は建設部門、経営工学部門、生物工学部門など21部門があります。一次試験に合格すると技術士補としての登録が許可されます。同時に二次試験を受ける権利が得られ、二次試験に受かると技術士としての登録が許可されます。

資格は機械部門、建設部門、上下水道部門、農業部門、森林部門など、全部で20の技術部門から、試験では1部門を選択します。
※総合技術監理部門は、既に一部門合格している人のみに受験資格が与えられます。技術士の中でも建設部門や上下水道部門の占める割合が多く、土木業界でのキャリアアップには必要な資格と言えます。

技術士は、技術コンサルタントとして活躍するケースが多く、近年の技術革新による技術の高度化に伴い、技術に関する高等な専門的応用力を持った質の高い技術コンサルタントとして、技術士は貴重な存在。収入にも大きく反映されるでしょう。

測量士

測量士イメージ

土木業界のキャリアアップには必要な資格

測量士は都市計画や開発の計画を立てるにあたって土地の位置や面積などを詳しく測量する仕事です。すべての工事計画の元となる土地情報を取得する仕事のため、土木・建設の現場では欠かせません。測量を行う現場や営業所には最低でも一人測量士を設置することが定められているため、重宝されます。土木のみならず不動産業界など幅広い分野で活躍することができるでしょう。多数の測量機器とデータを扱うため、機械好きで几帳面な方には特に向いている資格です。

測量士は受験資格がなく誰でも挑戦できますが、合格率は10%以下と難関です。選択問題と記述問題からなるペーパーテストに合格すると取得できます。
測量に関する計画の作製や実施を行う「測量士」に対して、測量士の作製した計画に従って測量を行う「測量士補」の資格もあります。測量士補は比較的合格しやすく、まずは測量士補から取得する人も多いようです。

コンクリート技士・診断士

コンクリート技士はコンクリートを扱う施工業務に直接関わり、品質管理などを行う仕事です。コンクリート診断士は建設されたコンクリート構造物の検査を行い、強度評価や劣化原因の究明、適切な補修提案などを行います。資格を持っている方は、コンクリート自体を製造するプラント製品製造会社、ゼネコンなどコンクリートを扱う建設業など活躍の場を選びません。どちらの資格もコンクリートの基となるセメントや骨材の材料知識、用途別の適した材料など幅広い知識が求められます。インフラの構造物はコンクリートでできている物が多いので、施工や維持管理が好きな方に向いています。また、材料の化学変化や周囲環境からの影響考察など、理科が好きな方にもおすすめです。受験には実務経験が必要で、一年に一回の試験では選択問題と記述問題が出題されます。

舗装工事管理技術者

道路舗装についての高い技術と専門知識を持ち、舗装工事現場の安全性や品質を確保する仕事です。資格取得者は舗装工事現場の指揮をする管理者として活躍できます。現場に必須の資格ではありませんが、品質を求められる大規模な公共事業を請け負う土木建設会社や舗装工事会社から必要とされることが多いようです。工事品質を保つために、責任感が強い方には特におすすめの資格です。一級と二級の区分があり、それぞれ実務経験が必要です。試験は選択問題の一般試験と記述問題の応用試験があります。

建設機械施工技士

建設現場で建設機械を使う際に、現場の責任者として施工管理行うことができる資格です。土木工事の現場では大型の建設機械を使うことがほとんどですから、さまざまな現場で活躍することができるでしょう。重機のオペレーターとして働いている方がステップアップを目指すのにもおすすめの資格です。一級と二級に分かれていて、受験には実務経験が必要です。試験は学科試験と記述試験があります。

RCCM

RCCMは(Registered Civil Engineering Consulting Manager/シビルコンサルティングマネージャ)は、「河川」「都市計画」「トンネル」など工事種別の分野に分かれていて、取得した分野の専門技術者として建設コンサルタント業務を行う資格です。現場の管理とともに、品質や安全性を確認する照査業務も行います。取得分野の経験と知識を保証する資格のため、転職や昇進などのステップアップを目指す方におすすめの資格です。受験するには実務経験が必要で、志望する分野の筆記試験に合格すると取得できます。

地質調査技士

ビルなどの建設を始める前のボーリング地質調査や、調査結果をまとめた報告書の作成などを行う仕事です。現場での調査工程管理やボーリングマシンの運転など、地質調査に関する幅広い業務を担うことができます。地質調査は建設を始める前に必ず行うため、調査業務を行う企業で活躍できるでしょう。現場の調査結果からどんな状態かを分析する業務があるため、何かを分析して考えるのが好きな方に向いているといえそうです。資格試験は3つに分かれていて、受験するにはそれぞれ実務経験が必要です。基本的に筆記試験ですが、口頭方式の試験科目もあります。

環境計量士

「計量法」に基づき、経済産業省が所管する国家資格として運営されている資格が「環境計量士」です。環境における振動や騒音、濃度などの計量結果を測定し、証明するために求められる資格となります。試験は年に1回で、年度末頃に筆記試験が実施されています。

「環境計量士」の資格は、計量法で定められた「計量士」のひとつとして数えられます。環境における騒音や振動を計測し、それを証明するため、工事現場はもちろん、商店街や工業施設など、様々な場所で広く需要がある資格です。

振動や騒音の計量には専門的な技術が必要であり、計量されたデータをもとに、環境計測や解析を行う調査には、必ず「環境計量士」の有資格者が必要です。資格取得のために合格しなければならない試験は難しく、いわゆる難関資格として扱われています。有資格者はまだ少ないですが、受験条件に実務経験の年数などが定められていないため、誰でも取得が目指せます。ただし、統計処理や品質管理といった知識に関する問題もだされるため、大学の理系部レベルの知識を身につけていることが求められます。

公害防止管理者

建設現場への配置が必ずしも求められているわけではありませんが、「公害防止管理者」は土木施工管理技士のスキルアップや品質アップのために、取得しておくと良い資格と言えます。

「公害防止管理者」とは、工場をはじめとして、さまざまな公害が発生する可能性がある施設に設置することが義務付けられている資格です。「水質」や「ダイオキシン」、「振動・騒音」「粉塵」、「大気」など、公害の種類によって区分が設けられており、その区分ごとに資格を取得することになります。

資格は「公害防止管理者等国家試験」に合格することで取得できます。受験条件に実務経験は定められていません。ただし、実務経験がある場合は、講習を受けて終了試験に合格することで資格を取得することもできます。

「公害防止管理者」は、それぞれの施設における公害の測定や改善を管理する業務にあたります。例えば、排出される水や地下浸透水の汚染や、騒音・振動の改善などです。こういった業務を監督するために必要な知識は、昨今、住宅街などに隣接する工事が増えている建設分野の業務にも活かせるようにもなります。

「施工計画の段階から、排水処理や騒音・振動に対する対策立案が求められることも珍しくありません。法的に建設工事の現場に、「公害防止管理者」を設置することは求められていませんが、資格を取得していれば公害の防止や改善に対する高いレベルの知識や技術を有している証明となります。

作業主任者

「作業主任者」とは、「労働安全衛生法」およびその関連法令によって定められている労働災害を防止するために設置されている資格です。「作業主任者」になるためには、技能講習を受講・修了することが必要です。

とりわけ建設現場には、危険な作業が伴うものです。作業主任者は、有資格者として、そういった危険な作業の安全管理の指導や責任者として設置されています。作業主任者は、安全管理責任者として設置されることが法律で定められています。そのため、当該作業が行われる際は、作業主任者として選任されている場合、現場に常駐していなければなりません。

実際に工事現場で発生した労災事故を調べれば、作業主任者が不在にしていたり、そもそも作業主任者が専任されていなかった、といったケースが少なくありません。責任者がいないために、取り返しのつかない事故が起こってしまうのです。

土木施工管理技士が現場監督として、みずから作業主任者の有資格者になることができれば、法律で定められている人員の設置を効率的に満たすことができますし、管理技士としての仕事の質も高まります。そうなれば当然、転職などでも大幅に有利になります。作業主任者の資格は、土木施工管理技士にとって仕事を有利にしてくれます。

作業主任者の配置がとりわけ求められる作業は、「足場組立」「型枠支保工」「地山掘削・土留め支保工」などです。これらは工事現場で頻繁に行われる作業であるため、人材不足とあいまって偉業が配置に苦労しているかもしれません。ぜひ取得することを検討してみてください。

各種の免許

そのほか、土木施工管理技士が取得しておくと便利な資格としては、クレーンや高所作業車などの運転免許や溶接、玉掛けなどの資格です。こういった免許を取得しておけば、ちょっとした作業を自分で済ませることができるようになるため、工事の進捗がスピードアップします。

運転免許としてオススメなのは、高さ10m未満の「高所作業車運転」や「巻上げ機運転」の免許をはじめ、「移動式クレーン」の運転免許です。クレーンは、吊り上げる荷重が1トン未満ほどあれば十分でしょう。こういった免許を有していれば、建材の積み下ろしはもちろん、現場事務所の設営や片付けなどでも役立ちます。

現場におけるちょっとした補修作業であれば、担当する工事の種類にもよりますが、「アーク溶接」「電気取扱」「玉掛け」といった作業の免許を持っていると良いでしょう。

また、こういった作業員が取得している免許を、現場監督である土木施工管理技士が有していれば、作業の要点を把握することができるようになるため、施工計画の立案や作業手順の管理についても役立ちます。やはり、現場をより確かに認識しておくことが施工管理技士には欠かせません。ぜひ、スキルアップのために学んでみてください。

監修企業の現場からひとこと&アドバイス
監修企業の現場からひとこと&アドバイス
監修者:(株)ティーネットジャパン
CS事業本部 営業推進室 付課長 原田 晋輔

土木の分野は広く、多種の資格がありますが、ここで挙げられている資格は業界の中でもポピュラーな資格となります。多くの場面で求められる資格なので持っていて損はありません。
資格の中には、定期的な更新が必要な資格もあります。せっかく取得した資格なので失効しないように気をつけてください。 (更新時に講習を要するものや、継続的学習の証明が必要なものなど、様々です。)

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