2級土木施工管理技士の学科試験はすべて四肢択一形式で出題され、正誤についてマークシートへ記入する試験となっています。
「薬液注入」「鋼構造物塗装」「土木」の3つから自身が回答する科目を選択する試験ですが、ここではそのうち「鋼構造物塗装」についてのポイントを紹介します。
鋼構造物塗装とは、構造物を工場で塗装し工事現場に搬入して現場塗装するという一連の工程で施工を行い、また一定年数が経過した後河川や交通の錯綜した道路上に足場を設けて塗装を行うなど一般の土木工事と大きく異なる特殊な技術が必要になる工事です。
建設業法においては各営業所に一定の資格や経験を有する技術者を選任で配置する必要があると定められており、これを満たさなければ建設業の許可が受けられません。
土木施工管理技士の鋼構造物塗装に合格をしていれば、このいわゆる「専任技術者」になるための要件を満たすことが可能です。
鋼構造物塗装にて土木施工管理技士試験に合格した場合、塗装工事における専任技術者の要件を満たすことができるため、他の要件も併せて満たすことにより塗装工事における建設業の許可を得ることが可能になります。
また、1級土木施工管理技士試験に合格することができれば、塗装工事だけではなく土木工事やとび・土工工事、石工事などその他にも幅広い工事における専任技術者としての要件を満たすことが可能になります。
国家資格である技能検定制度の一種である塗装技能士と、土木施工管理技士の「鋼構造物塗装」との違いは一体何でしょうか。
根本的に違う資格ではありますが、最も大きな違いは「一般建設業の専任技術者」というポイントになります。
どちらの資格も塗装工事における専任技術者になることができますが、土木施工管理技士の場合は1級に合格するとその他の工事についても幅広く専任技術者になることができるようになります。
また、「特定建設業の専任技術者」であれば、塗装技能士の資格を持っていても指導監督的実務経験が必要とされますが、1級土木施工管理技士であれば資格を持っているだけで要件を満たせます。
2級土木施工管理技士試験対策のテキストとして、「鋼構造物塗装」に特化した内容のテキストなどはあまりありません。
この学科試験は「薬液注入」「鋼構造物塗装」「土木」の3つから選択して受験することができますので、実務上での知識や技術がない方や「鋼構造物塗装」の分野に関して苦手意識のある方は、比較的取り組みやすい「土木」を受験されることをおすすめします。
また、受験勉強の際には基本となる過去問題集を解いていく勉強がおすすめです。
ただひたすらにテキストを丸暗記、などという勉強の仕方は非常に不効率です。
実際に出題された過去の試験問題から出題傾向をしっかりと把握し、「試験問題を解く力」を養うことができるとより合格率を引き上げていけるでしょう。
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