置換工法は軟弱地盤対策に用いられる工法の1つであり、軟弱層の一部や全部について良質材と置き換えることで、地盤の強化を行って軟弱地盤エリアでも施工可能な状態にします。土木施工管理技士として把握すべき置換工法について解説します。
置換工法とは文字通り地盤の一部を別の良質材に置き換える工法であり、軟弱地盤対策として採用されています。
軟弱地盤エリアで土木工事や建築工事を行う場合、そのままでは地盤沈下や崩落など様々なリスクが発生してしまうため、何かしらの軟弱地盤対策を講じなければなりません。置換工法は軟弱層の一部や全部を良質な土砂や軽量盛土材といった材料に置き換えて地盤強度を獲得する方法であり、具体的な方法としては「掘削置換工法」と「強制置換工法」の大きく2種類があります。
ただし軟弱層を完全に除去できなかった場合、地盤リスクを排除できず、置換工法の品質が著しく低下してしまうといった課題もあります。
掘削置換工法は、掘削作業によって軟弱層を除去してしまい、その後に置換材料を設置して地盤の強度を獲得する方法です。
置換材料としては砂や砕石が一般的に用いられますが、残土の量が多い場合はセメント系固化剤を攪拌混合することもあるでしょう。なお置換後の地盤を支持基盤として利用する場合、当然ながら置換した層についてもしっかりと締固めを行って強度を向上させなければなりません。
強制置換工法は、軟弱地盤に対して盛土を行い、盛土の重量によって軟弱層を押し出すことで地盤の土質を置き換える工法です。例えるならば水を入れたコップへ鉄の塊を入れて、中に入っていた水を押し出し、代わりに鉄の塊でコップ内を満たすようなものになります。
強制置換工法はさらに「盛土強制置換工法」と「爆破置換工法」という種類に大別され、全社は盛土重量によって軟弱層を排除し、後者は盛土後に基礎地盤を爆薬で爆発破壊して軟弱層を吹き飛ばし盛土と置き換える方法です。
置換工法は、物理的に軟弱層を排除して良質材で置換するという軟弱地盤対策であり、複雑な技術を必要としないシンプルな工法ということができます。しかし、施工範囲が広くて除去すべき軟弱層が多ければ多いほど作業量やコストが増大していき、また除去した軟弱層の残土の処分についても考えなければなりません。
さらに強制置換工法は盛土の品質や周辺環境へ大きな影響を与える可能性もあるため、そもそも採用が適正であるのかどうか十分に検討しなければならないことも重要です。
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