このページでは、中堀工法(中掘り杭工法)を解説しています。工事の特徴のほか、具体的な工事方法、メリットなどについてみていきましょう。将来は土木施工管理技士として土木工事などの現場で活躍していきたいと考えている方は、さまざまな工法に関する知識を深めるためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
2005年に国土交通大臣認定を取得している工法です。中堀り工法が採用されるのは、主に、大きな杭耐力が求められる重要建築構造物です。例として、大型の物流倉庫や庁舎、病院、空港施設などがあげられます。
オーガスクリューを、鋼管杭と鋼管矢板の管内に挿入し、回転させます。
杭打機の自重を反力とする門型油圧押込装置で、杭を目標の位置に圧入します。この作業は、杭先端部土砂を連続的に掘削排土させながらおこないます。
セメントミルクを、杭の先端部に20 MPa~24MPaの高圧噴射をして、先端根固め拡大球根をつくります。
参照元:NIPPON STEEL
(https://www.nipponsteel.com/product/construction/list-construction/15.html)
中堀り工法(中掘り杭工法)のおもな特徴としては、次のようなものがあげられます。
鋼管杭を使用するため、耐震性に優れる基礎構造物を建築することができます。これは、鋼管杭に高い靭性がそなわっていることが、おもな理由です。そのため、強い地震が発生してもねばりを発揮します。つまり、より高い耐震性能を備えられるということです。
二次公害のない工法であるため、エコマークを取得しています。クリーンな施工を実施することができます。クリーンな施工の根拠としては、泥水が発生しないことや、掘削駅を使用せずに工事を実施した場合、排土の量を少なくおさえられることなどがあげられます。
工事によって発生する騒音や振動がそれほど大きくないことも、中堀工法の注目ポイントです。掘削はオーガスクリューでおこなわれますし、また、油圧押込装置による静的な圧入工法でもあるからです。かなり大きな騒音や振動が発生してしまう工法もあるなか、中堀り工法は、周辺環境への負荷が小さい工法であるといえます。
施工機に設置された管理装置を活用することができます。掘削深度のほか、掘削のスピード、セメントミルクの注入量、拡縮翼径などを、リアルタイムで把握することが可能になります。言い換えると、徹底した品質管理ができるようになるということです。
中堀り工法は、公的な認証を取得済みの工法です。公的な認証というのは「旧建築基準法第38条の規定に基づく認定」です。さらに、技術指導報告書(社団法人建築研究振興協会)も取済みなので、一般使用が可能になっているわけです。
参照元:NIPPON STEEL
(https://www.nipponsteel.com/product/construction/list-construction/15.html)
参照元:株式会社テノックス
(https://www.tenox.co.jp/construction_method/pile_method_01/)
中堀り工法(中掘り杭工法)は、高圧セメントミルクを噴射させることで先端根固め拡大球根を形成していく工法です。そのため「大きな先端根固め拡大球根を造れる」「高い支持力を発揮できる」という2つのメリットを得られます。それぞれについて詳しくみていきましょう。
中堀り工法では、杭先端部で、セメントミルクを決められた範囲に20~24MPaで噴射していきます。20~24MPaは高圧噴射であるため、鋼管の内壁をクリーニングすることができ、杭径よりもかなり大きい拡大球根の造成が可能になります。信頼性の高い球根ができます。
高い先端支持力を発揮させられるのも、注目すべきメリットだといえます。杭の先端部に、マックス2400mmまでの根固め球根をつくることにより、マックス17,900kNまでの先端支持力の発揮が可能です。また、支持層での杭先端からの先掘りをしないので、支持層の応力解放を原因とする劣化もおさえられます。セメントミルクを高圧噴射することで根固めをするので大きな支持力が発揮される、というのがその原理です。
参照元:NIPPON STEEL
(https://www.nipponsteel.com/product/construction/list-construction/15.html)
参照元:株式会社テノックス
(https://www.tenox.co.jp/construction_method/pile_method_01/)
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