土木施工管理技士の周辺は人間関係のトラブルが多い?
一つの作業に複数の職人、監督が関わることもあり、それぞれの利害関係が発生するというのもトラブルが発生しやすい一因です。現場が揉めてばかりだと工事もスムーズに進まないため工期にも間に合いませんし、効率が悪くなり利益も確保できません。
工事現場で発生しやすいトラブルの種類と、それぞれの対策について解説します。
施工管理技士の仕事をしていく上での人間関係について、現場に出ている施工管理技士から口コミ・体験談をまとめてみました。
人手不足・職人の高齢化・外国人労働者の増加を背景に、管理者育成の目途が立たず土木施工管理技士にそのしわ寄せがくる状態。さまざまな世代の人とコミュニケーションを取れるが、言い方は悪いかもしれないけれど、ろくでもない人もいて、人間関係を良好に築くのはハードルが高い。精神的なダメージを理由に退職する人が多い。
下請けの業者の人は面白い人が多く楽しく感じることもあるが、多くの場合「新人いびり」がひどく、新人は叩かれる、蹴られる、罵倒されることがしばしば。一人で明らかに処理できないような仕事を押し付けられ、できないと怒られる。この繰り返しで、ひどいときは仕事をする前から因縁を付けられてとりあえず怒鳴られるということもあった。
自分よりもかなり年上の職人さんに指示を出すことでストレスを感じたり、上司との馬が合わなかったりすることは避けられない。しかし、1枚の図面から形となって、建物になっていく感動や、周辺住民から感謝の言葉を得られることには大きなやりがいを感じる。
施工管理技士に向いている人は、どのような人でしょう?どの仕事でも同じように言えますが、現場の職人はもちろん、様々な事業関係者と一緒に働かなければならない以上、周囲から信頼される人間であることは、とても大事です。しかし、いわゆる「体育会系」の人ように「肉体的な強さは必ずしも必要ではない」など、施工管理技士の仕事に向いている人のタイプはさまざま。実際には細かい事務作業をミスなくこなすための繊細さも必要なのです。
施工管理技士に向いている人物像は、「人を巻き込める、体育会系のリーダー」であったり、「物腰柔らかで、周囲との調和を大事にしながらも、意見をしっかりと通すことができる人」「現場をまわしていくことに、情熱を持って取り組める人」などです。
飲み会やスポーツイベントなどで盛り上がることができる、いわゆる体育会系であることも良いのですが、施工管理技士の職務において最も大事なことは、職人さんをはじめ、様々な事業関係者から信頼されたうえで、現場をリードすることができること。そのため体育会系でなくとも、「細かい作業ができる」「周囲との調和を大事にできる」ことが求められるのです。
現場の人間関係を円滑に保つためには、押さえておきたいポイントがあります。逆に言えば、それらのポイントを押さえて現場をまわすことができれば、人間関係を良好にしながら働くことができます。
注意すべきポイントは、下記のようなことになります。
現場で働いている職人さんは、それぞれが仕事に誇りを持って働いています。その誇りを傷つけないことを大事にしましょう。とりわけ、職人さんを施工管理技士の「部下」のようにとらえることは、絶対にやめましょう。
現場の職域をわけることが重要なのは、職人さんが偏屈な性格をしているためではありません。まさに仕事に対する誇りのために、仕事の段取りや安全性を損ねないように気を付けてくれているからなのです。
現場仕事に「無駄」が生じることも、職人さんのモチベーションを損ねることになりかねないため、避けましょう。
無駄がない現場にするためには、計画をしっかりと立てること、指示は誰でもわかるようなやり方で明確に出すこと、また、進行予定や仕様に変更が生じた場合は、「命令」するのではなく、「お願い」をするかたちで協力してもらえるように働きかけましょう。
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現場で働く職人さんは叩き上げの人が多いため、ケンカっ早い性格の人が多いのもトラブルの種の一つ。職人さん同士のトラブルも多いですが、若手のうちはなかなか認めてもらえずに上手く工事をコントロールできないこともあるでしょう。
職人さんとうまくコミュニケーションを取り、スマートな人間関係を築くためには、素直な気持ちで接することです。工事を発注しているのは自分だからと上から目線で接していると、どんどん溝が深まってしまいます。職人さんの技術を認めて「勉強させてもらう」という気持ちで接していれば、自然に良好な関係を築けるはず。
実際に、職人さんが長年現場で培った経験を伝授してもらうのは大変勉強になります。どんな人も、誰かに頼られるのはうれしいものです。ぜひ参考にして現場でのスマートな人間関係構築に役立ててください。
大規模な工事現場では上司や同僚とチームを組んで管理業務に当たることがほとんどです。工事の進め方や管理の方法などを巡って、チーム内で人間関係のトラブルが発生することも少なくありません。長年仲が悪く、決して同じチームで仕事をしない組みあわせの人もいるくらいです。
仲間同士でケンカしていては、スムーズに工事を進めることはとてもできません。上司や同僚とも普段から親交を深め、いざという時に助け合える関係を構築しておきましょう。
そのためには、まずは相手が困っている時に自分から助けるということを心がけましょう。普段から「大丈夫?」「何か手伝おうか?」と声をかけるだけでも構いません。実際に相手を助けることができれば、自分が困っている時に助けてもらえるでしょう。
ただし、中にはどうしてもうまくやれない相手も存在します。人間関係のストレスをずっと抱えたまま働くのは大変な負担ですから、どうしても解決できないときは転職を検討するのも一つの手段です。
工事中は常にやり取りが発生する発注者とのトラブルも見逃せないポイント。発注側としてはクライアント意識から要求が厳しくなりがちで、無理難題を突き付けられるケースも多いようです
工期がギリギリなのに追加で指示されたり、質問をしても即答してもらえず困り果てたという声も。このような事例は会社と発注者の力関係による場合もあるため、上司などに相談しても解決しづらいのもツライところです。
この問題を解決するには、働く環境を変えるのが一番といえるでしょう。発注者からのプレッシャーが強くなってしまう原因としては、会社としての立場の弱さや、営業力の弱さも考えられます。現場監督の立場からいくら頑張っても、一度できあがった業界の構図を変えるのは難しいものです。
発注者トラブルに悩まされている方におすすめなのは、「発注者支援業務」をおこなっている企業への転職です。これは国や都道府県がおこなう公共事業で、発注者の側に立って業務を支援する制度です。受注側でありながら発注者側の立場であるため、発注者と受注者間にある特有の力関係を受けることは少ないでしょう。発注者に悩まされている方はぜひ検討してみてください。
施工会社に所属していた時、発注者、所属会社の上司・同僚・部下、専門工事会社、職人等とコミュニケーションを円滑に行いながら、道路、トンネル、橋梁等の目的物を造り上げた時の達成感は、言葉には表せないとても大きなものでした。
コミュニケーションを円滑に行うポイントは、「迅速かつ的確な報告・連絡・相談」、「素直」、「明るく」、「相手を敬う」ことが重要だと思います。
弊社が携わっている発注者支援業務でも同様に、発注者と施工会社や設計会社等の受注者との間に立ち、プロジェクトのマネジメントを行う業務の特性上、高いコミュニケーション能力が求められます。
弊社では、コミュニケーション能力の向上を目的とした研修等を実施し、能力の向上に努めています。
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株式会社ティーネットジャパンは、公共事業の計画・発注をサポートする「発注者支援業務」において日本を代表する建設コンサルタントです。
建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで21年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2023年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2023」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。