PRIDE~次世代へつなぐ 土木施工管理技士の新しい働き方 » 【2019】おさえておきたい土木建設業界「旬ワード」 » 首都高地下化

首都高地下化

ここでは、首都高速道路の歴史と、地下化にいたった経緯を解説しています。地下化により、日本橋川の美観が取り戻される予定です。どのような経緯で街並みが変わっていくのか、下記を参考に理解を深めてみてください。

首都高の歴史

首都高速道路は1964年の東京オリンピック開催に向けて、日本橋川の上部につくられた道路のことです。日本橋川を覆うように建設されており、半世紀経過した現在では老朽化が目立ちます。安全を確保するために、2019年に都市計画が決定し、改修予定となっています。

なぜ日本橋川の上に建設されたか

1958年以前に考えられた計画では、用地買収が必要のない日本橋川の水を抜き、高速道路をつくる予定でした。ただ一部の地元住民からは、日本橋川の汚染状態から蓋をするように覆うべきであるという声もあがっていました。

ところが、1958年に台風による浸水被害が生じたため、排水機能を考えて日本橋川を残す方向性に話がまとまります。そして1964年のオリンピック開催に向けて、急ピッチで上部に道路がつくられることに。

1963年12月に呉服橋~江戸橋JCTが開通、1964年8月に神田橋~呉服橋JCTが開通して、無事に翌年のオリンピック開催を迎えています。

首都高改修の経緯

オリンピック開催を無事に迎えて、成功をおさめたかのように見える首都高速道路ですが、日本橋の景観を損ねていると反対の声があがり始めます。オリンピック開催からわずか4年で、1968年には名橋「日本橋」保存会が発足しました。

そして時は流れ、1995年1月の阪神・淡路大震災の発生を受けて、耐震補強が検討されることに。予定では現状の上部に通す形のまま補強される予定でしたが、長期間川を覆い続けるため、川がある中央区から反対の声があがりました。

当初は中央環状線・外環・圏央道の整備が予定されていたことから、完全撤去を希望する意見があがりましたが、交通量が減らないと試算され地下案が検討されています。

首都高地下化とは

首都高速道路は膨大な交通量による損傷で、改修される予定だったものの、地下化してつくり変えることになりました。東京都が首都高速の地下化に向けて取り組むと公表し、2019年には都市計画が決定しています。建設費総額は約3,200億円で、首都高速道路株式会社が約2,400億円と大部分を負担します。

残りは東京都が約326億円、中央区が約80億円、民間で約400億円を負担し、地下ルートの開通がスタート。2035年には地下ルートの開通が予定されています。

首都高地下化に伴う工事

首都高速道路の地下化では、江戸橋~神田橋JCTまでの約1.8kmが工事の対象です。予定では、2035年までに開削トンネル工事が完了します。河川内工事とシールドトンネル工事、擁壁・掘割工事、高架工事が進められます。

2035年に開通した後に、現在の首都高速道路の撤去工事が進められ、2040年までには撤去を予定。現状の上部を通す高架構造でつくり直すと、費用は1412億円と計算されていましたが、地下化には2倍以上の費用が投じられます。

既に、2021年5月10日に呉服橋出入口と江戸橋出入口が廃止され、地下化ルートの建設工事が進められています。出入口の撤去は、全体で撤去するうちの約1割に相当。難易度の高い工事が実施されました。

足場を設置し、床版撤去・橋桁撤去・橋脚撤去の順で作業が進められ、呉服橋で3本、江戸橋で4本と計7本の橋脚が撤去されています。

変わりゆく首都高と、貢献する土木施工管理技士の存在

首都高速道路の地下化により日本橋川の川沿いでは、再開発事業が計画されています。インフラは、時代の流れとともにアップデートが必要となるケースがあります。アップデートにより連鎖的に周辺の再開発が進められて、街並みがガラリと変わることも少なくありません。土木施工管理技士の活躍が、その時代の社会の構築に常に貢献しています。

本サイトの監修・取材協力企業

株式会社ティーネットジャパンとは

発注者支援業務において
日本を代表する企業

株式会社ティーネットジャパンは、公共事業の計画・発注をサポートする「発注者支援業務」において日本を代表する建設コンサルタントです。
建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで22年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2024年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2024」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。

株式会社ティーネットジャパン 公式サイト
引用元HP:株式会社ティーネットジャパン 公式サイト
https://www.tn-japan.co.jp/ja/
       

(株)ティーネットジャパン 全国積極採用中
求人情報をチェックする