マスカーブ(土積曲線)は、切土や盛土が必要な土木工事現場における「土量」の累計を示す曲線です。本記事では、土木施工管理技士として土の運搬計画を立てる際に必要となるマスカーブ(土積曲線)について詳しく解説します。
マスカーブ(土積曲線)とは、土木工事現場での「土量の累計」を示す曲線であり、切土や盛土に関する土量を図表として視覚的に表す手法です。
例えば、勾配のある土地で土木工事を行う場合、地面を掘削して地盤面を低くしたり、逆に盛土をして地盤面を高くすることで、平坦な地面を作ります。この際に、マスカーブを用いて土量の変化を分かりやすく表し、土の運搬や掘削、盛土の計画に活用します。
マスカーブ(土積曲線)は土量の累計が図表として示されています。その情報を適切に活用するためには、マスカーブの正しい見方を理解することが重要です。マスカーブを見る際には、主に以下の5つのポイントを意識しましょう。
マスカーブの縦軸は、始点からの土工量の累計を示し、横軸は始点からの距離、すなわち一定間隔で設置された測点位置までの距離を意味します。
グラフの上下の変化は、それぞれの測点区間における土量の増減を示しており、測点位置で縦軸がプラスであれば、その場所で土が余っている状態を表します。
マスカーブの始点はグラフの左端に位置し、工事の起点を示します。工事の始点では土の増減は発生していないため、縦軸の値はゼロとなります。
マスカーブが右上がりになっている場合、縦軸の土量が増加していることを示します。つまり、その測点区間では土を掘削している(切土を行っている)ことが確認できます。
逆に、曲線が右下がりになっている場合は、土量が減少していることを示しており、その区間で盛土が行われていることがわかります。
測点ごとに切土や盛土が行われることで、土量は増減します。最終的には、最後の測点の縦軸の値を見ることで、その工事現場で土量が余っているのか、あるいは不足しているのかを判断できます。最終測点の縦軸がゼロであれば、切土と盛土の量が均衡していることを示します。
土の運搬計画を立案する際には、この最終測点の状況を踏まえ、土を搬入するか、搬出するかを決定することが重要です。
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