秋吉 伸之さん 48歳
秋吉さんが、そもそも土木建設業界に入ったきっかけを教えてください。
秋吉さん
親戚が土木関係に従事していたため、小さいころから土木に接する機会がありました。
そして、進学した大学が土木工学科だったこともあり、次第に土木に興味が沸いてきました。
秋吉さんは、発注者支援業務のご経験が豊富と聞いていますが、現在はどのようなお仕事をされているのですか?
秋吉さん
現在は、福岡県内にある国土交通省の事務所が発注する道路事業に関する工事実施の監督補助を行っています。
発注者側の職員をサポートし、工事が円滑に進むことを第一に工事の品質を確保出来るように工事受注者と連携しながら工事に関する多くの面で支援を実施しています。
具体的には、工事施工状況の把握・工事検査立会の臨場・協議内容の確認助言・地元関係機関協議調整支援・災害時の技術協力支援などです。
秋吉さんが仕事をするうえでこだわってきたこと、大切にしていることを教えてください。
秋吉さん
一緒に仕事をしていく仲間を大切にすること。これは、どの仕事でも同じだと思いますが、工事はみんなが協力して初めて前進するもので、一人の力だけでは決して成し遂げられません。
仲間がいれば現場での問題や困難にぶつかった時に必ず助けてくれるし、逆もあります。失敗は何回もしてきましたが、仲間の手助けや励ましでずいぶんと助けられました。技術や知識など他にも大切なことはありますが、仲間に勝るものはないと思います。
仕事をされていて、どんなときにやりがいを感じますか?
秋吉さん
発注者支援業務では、直接的に工事を管理するわけではないので工事完成の達成感は現場ほどではないかもしれませんが、工事が完成した喜びというのは十年以上経っても忘れることはありません。楽な工事は一つもなく、問題が多発してくじけそうになったことは数知れません。その思いもあって完成した時は喜びで感涙しました。この経験は死ぬまで忘れることはないと思います。
秋吉さんがこれまでに印象深かったお仕事やプロジェクトについて教えてください。
秋吉さん
農水省農政局発注の地下ダム止水壁建設工事です。(スーパーゼネコン2社含むJV)
ティーネットジャパンに入社して最初の現場。総事業費100億を超えるプロジェクトでした。仕事内容を何も聞かされずに飛行機で飛び立ち、現場の施工管理というものを一からたたき込まれたプロジェクトでした。
皆さん厳しい技術者ばかりでしたが、何も知らない自分に親切に教えてくれました。今の自分があるのはこの現場のおかげだと思っています。
2年間あまりでJV(ジョイントベンチャー)職員や地元建設会社等々多くの技術者と出会えたことは自分の財産になりました。そして何よりもそれまでの自分に足りなかった「耐えること」を学んだ現場として印象深いです。
秋吉さんにとって発注者支援業務やティーネットジャパンの魅力はどんなことですか?
秋吉さん
発注者支援業務は、技術者として直接工事を管理しているわけではありません。正直に言うと、現場の本当の魅力や苦労などの本質的な部分は常時現場にいないと感じることはできないと思っています。
とはいえ、担当している工事が問題にぶつかった時に、これまでに自分が学んだ知識・技術によって解決できた時はこの業務のやりがいを感じます。
ティーネットジャパンは会社に関わる事柄に対してある程度自由を社員に与えてくれる点に魅力を感じています。決して社員のわがままではなく、やりたいことに耳を傾けてくれるところです。がんじがらめに縛ることなく、「かんがえろ、やってみろ、みんなのために」という社是のとおり、社員に考えさせようとしているのが魅力です。
お仕事をされていて辛かった経験、失敗や挫折などの経験がありましたら教えてください。
秋吉さん
失敗は数知れません。材料の発注ミス、事故、施工不良・・・きりがありませんが、立ち直れる程度のものです。
一番の失敗・挫折は、工事の途中で担当を外されたことです。健康上の理由ではなく、技術的な問題でした。土木業界デビューから6年目ぐらいの時期で、ある程度知識も身につき、発注者や下請けに対して一人で対応できるようになってきた頃でした。
契約先の職員から「管理能力不足」ということで担当を外され、「何もしないでくれ」と言われました。あまりのショックで続けていくことができませんでした。
それはとてもつらいですよね。このショックをどのようにして乗り越えたのですか?
秋吉さん
必死で勉強するしかありませんでした。インターネットもあまり普及していない頃だったので、分からないところは仲間を頼りました。
資格も積極的に取得しました。乗り越えたかどうかは判断が難しいですが、それ以来担当を外されたことは無いので、乗り越えたかもしれません。
とはいえ、技術者として成長したかどうかは他人が決める部分でもあるので判断は難しいですが、挫折を経験することでそれ「挫折を乗り越えようとする力」はついたと思っています。
乗り越えた一番の要因は、やはり仲間の励ましや支えですね。
土木建設業界で働きたいと思っている人、土木施工管理技士取得を目指す人に、アドバイスをお願いします!
秋吉さん
どの業界でも同じだと思いますが、支え合える仲間を見つけること、上司・部下関係なくその仲間を大切にすることです。仲間と信頼関係が築ければ、失敗しても、どこにいても怖くありません。自分が仲間を助ければ必ず相手も助けてくれる。お互いに支え合うことで技術力も自然と身についてきます。
頭が良いから良い技術者になれるとは思いません。おもしろい仕事、つまらない仕事、難しい仕事、たくさん経験すると思いますが、「無駄な経験は無い」と思って仕事ができれば必ず良い技術者になれるし、仕事がおもしろくなってくるはずです。
最後に、秋吉さんがこれからやってみたい仕事、目標を教えてください。
秋吉さん
土木業界にもAI(人工知能)の活用が始まろうとしていますが、情報技術やロボット産業的な仕事にも携わってみたいと思っています。技術者不足が原因なので矛盾しているかもしれませんが、土木だけでなく幅広い分野を少しでも経験できたらと思います。
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