こちらでは、コンクリートポンプ車について紹介しています。建設現場で生コンクリートを使用する際、打設現場へと圧送する役割をもつ自動車です。土木施工管理技士として土木・建設現場での工事を安全に進めていくためにも、生コンクリートを扱うのに必要なコンプリートポンプ車についての知識を身に付けておくことが大切です。
ミキサー車が運んだ生コンクリートを、圧送することで打設現場まで届けるのが、コンクリートポンプ車の役割です。配管やホースなどを通じ、圧送するためのポンプを装備しています。ちなみに圧送とは、その言葉どおり、圧力を加えて送ることを意味します。
固体のコンクリートが液体になった状態のものが、生コンクリートです。固体のコンクリートと同様、非常に大きな重量があります。生コンクリートを人が運ぶのは効率が悪いだけでなく、重大な事故の原因にもなりかねません。そこで、ポンプの勢いを上手に利用してスピーディーに生コンクリートを圧送できるコンプリートポンプ車が必要になるわけです。
コンクリートポンプ車にはピストン式とスクイーズ式の2種類があります。それぞれの方式において、どのような原理で生コンクリートを圧送する仕組みになっているのかをみていきましょう。
ピストン式とはいわゆる押し出し式のことで、真空状態を利用して生コンクリートを圧送する仕組みになっています。
コンクリートピストンが後退するとき、シリンダ内に生コンクリートを吸い込みます。反対に、コンクリートピストンが後退するときは押し出して生コンクリートを圧送します。ピストン式は、高層ビル建設のような大規模な土木工事現場で採用されることが多いです。
スクイーズ式とはいわゆる絞り出し式のことで、ローラーでチューブから生コンクリートを絞り出す仕組みになっています。
円筒ドラムの内周に、生コンクリートを詰め込んだポンピングチューブを設置し、ローラーを起動させてポンピングチューブを圧迫します。チューブの歯磨きを絞り出すように、ポンピングチューブから生コンクリートを絞り出していくと考えれば、イメージしやすいのではないでしょうか。
生コンクリートの輸送管が、折りたたみ式のブームに設置された構造になっているコンクリートコンプリートポンプ車を、ブーム車といいます。高所など、分輸送しにくい現場であっても、問題なく生コンクリートを圧送することが可能です。ひとつ注意しておかなくてはならないのは、アウトリガーなどを使って車両を安定させなくてはならないので、そのための充分な広さを確保できない土木・建設現場では使用するのが難しいという点です。
ブーム車とは異なり、特殊な設備を必要としないタイプのコンクリートポンプ車です。そのため、比較的せまいスペースであっても、作業を進めることが可能です。また、車高自体が低いので、高さ制限が設けられている現場であっても、作業しやすいというメリットもあります。
できるだけコンクリートポンプの寿命を延ばすには、やはりメンテナンスが大切です。メンテナンスによって故障が起こりにくくなるので、耐用年数を長くすることが可能です。
メンテナンスにおいては、フィルターと作動油を定期的に交換することが求められます。生コンクリートの圧送は油圧システムによるものです。金属粉や砂などが油圧システムを巡る作動油に混ざると、作動油は少しずつ汚れていくので、そのまま使用し続けると、部品の損傷などにつながります。ですから、作動油の汚れ防止用フィルターと作動油のメンテナンスが大切になるわけです。
もうひとつ、プロペラシャフトについてですが、これも定期的なメンテナンスが必要です。消耗・傷・錆びなどによる固着が起こらないようにするために、週に1回はグリスの給脂を実施するようにしましょう。
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