こちらでは、消防施設工事について解説しています。工事の特徴のほか、具体的な工事内容、動力消防ポンプ設置工事に関する注意点などをまとめました。
また、消防施設工事の中には、建築一式工事または鋼構造物工事との区分が難しいものも含まれますので、その点についても紹介しています。
火災警報設備・避難設備・消火設備などをはじめとする、消火活動に必要な設備および工作物を取り付けるための工事を、消防施設工事といいます。
また、一部の建物(おもにオフィスビルやホテル、劇場、デパートなどの商業施設が該当します)に対しては、建物の用途や規模、収容人員などの要素に応じた消防用設備や特殊消防用設備などの設置が、法律によって義務付けられています。たとえば、「屋内消火栓設備」「自動火災報知設備」「スプリンクラー設備」などです。
これらの設備の工事や整備などをおこなう人は、消防設備士の資格を取得していなくてはならないということが消防法で定められてます。
消防施設工事に該当する工事には、次のようなものがあります。
上述の動力消防ポンプ設置工事についてですが、使用する水の水源からの距離によって、放水量やホースの長さに関する規格がかわります。ですから、適用される規格をあらかじめ調べておくことが大切です。また、施工前には消防署と協議したり届け出を提出したりするなどの準備が必要です。さらに、設置工事が終了したら、今度は設置届を提出して消防検査を受ける必要がありますので、忘れないように注意しましょう。
金属製避難はしごとは、火災が発生した場合などの緊急時に使われる組み立て式のはしごのことです。この金属製避難はしごと混同しやすいものとして、避難階段があげられます。避難階段はビルの外壁に固定・設置されている設備ですが、消防施設工事には含まれません。
では、避難階段はどの専門工事に区分されるのでしょうか。設置をするための工事自体は「建築一式工事」あるいは「鋼構造物工事」に該当します。両者の間でどう区分されるか、それは設置のタイミングが決め手となります。新築時に、建物の一部として避難階段を設置する場合は建築一式工事に該当します。一方、既存の建物に対して、追加的に避難階段を設置する場合は、鋼構造物工事に該当することになるわけです。
消防設備工事は、火災発生など、万が一の緊急時に備えるための工事です。消火設備を設置しておくなどしておけば、火災が発生しても、その被害をできるだけ小さいものにすることが可能です。人命救助はもちろんのこと、建物を保護するためにも、非常に重要な工事であるといえます。
土木施工管理技士として現場でしっかりと施工管理をおこなうには、こういった専門工事に関する知識を身に付けておくことが大切です。
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