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グラウト材

グラウト材は、土木工事や建設工事において、ひび割れや空洞の補修、地盤改良などに用いられる重要な建築資材です。その流動性と多様な種類により、施工品質の向上や構造物の安全性確保に欠かせません。

本記事では、グラウト材の基本的な特徴や種類、メリット・デメリット、さらには使用時の注意点について詳しく解説します。

グラウト材とは?

グラウト材とは、液体またはペースト状の建築資材で、土木工事や建設工事で発生するひび割れや亀裂、空洞を補修するために使用されます。地盤改良や構造物の耐久性を向上させる目的でも広く活用されており、施工現場では欠かせない資材の一つです。

主に流動性のある素材で構成されており、細かな隙間や亀裂、深い空洞にまで浸透できる特性を持ちます。この特性により、施工後の耐久性や安定性を向上させるだけでなく、リスク軽減や長期的なメンテナンス負荷の低減にも寄与します。

土木施工管理技士にとって、グラウト材の種類や適切な使用方法を理解することは、品質管理や施工の効率化において非常に重要です。

グラウト材の種類

グラウト材はさまざまな用途や現場条件に合わせて選択できるよう、いくつかの種類に分類されます。

1.セメント系グラウト材

セメント系グラウト材は、最も一般的に使用されるグラウト材の一つです。セメントを主成分とし、現場で水と混合することで使用します。流動性が高く、細かい亀裂や狭い空間にも容易に浸透できるため、構造物の基礎補強や耐震補強、アンカーボルトの固定などに適しています。

さらに、非金属製骨材を使用することで錆びにくいという特長もあります。これにより、耐久性を確保しながら長期間の安定した性能を発揮することが可能です。

2.ガラス系グラウト材

ガラス系グラウト材は、止水性や防水性が求められる現場で効果を発揮します。このタイプは低粘度でさらさらとした質感を持ち、細かな隙間にまでしっかりと浸透します。そのため、ダム工事や護岸補強、地下水が多い地盤での施工に適しています。

高い強度と防水性を兼ね備えているため、湧水対策や地盤の安定化が必要な場合に選ばれることが多いです。

3.合成樹脂系グラウト材

合成樹脂系グラウト材は、耐油性や軽量性に優れており、特殊な環境での使用に向いています。このタイプは、機械設備の基礎補強や構造物の修繕に使用されることが多く、エポキシ樹脂を主成分とするものが一般的です。

また、施工後の収縮が少なく、安定性を長期間維持できる点も特徴です。特に耐薬品性が求められる工場や設備基礎などでの使用が適しています。

グラウト材のメリット

グラウト材は、その特性により土木工事や建設工事の品質向上に大きく貢献します。以下に主なメリットを挙げます。

収縮が発生しにくい

グラウト材は通常のモルタルやコンクリートに比べて、硬化後の収縮がほとんど発生しません。このため、ひび割れや空洞の補修後に再び同じ問題が発生するリスクを低減できます。長期的な安定性を必要とする補修工事において、この特性は非常に重要です。

流動性が高く隙間を完全に充填可能

流動性に優れるため、細かい亀裂や深部の空洞にまで浸透しやすいことが大きなメリットです。適切に充填されたグラウト材は硬化後に強度を発揮し、全体の安定性を向上させます。

現場での取り扱いが簡単

セメント系グラウト材であれば、現場で水と混ぜるだけで使用可能です。一方、合成樹脂系グラウト材は軽量で運搬が容易なため、施工現場での取り扱いがしやすい点も特徴です。また、外気温の影響を受けにくい製品も多く、夏場や冬場でも安定した品質を維持できます。

幅広い種類がある

グラウト材にはさまざまな種類があり、用途や施工環境に応じた選択が可能です。地盤改良や構造物の補強、防水対策など、目的に応じた製品が豊富に揃っているため、施工の幅を広げることができます。

グラウト材のデメリットと注意点

一方で、グラウト材には使用方法や種類選定を誤った場合のデメリットもあります。

種類が多く選定が難しい

グラウト材は多種多様であり、適切な製品を選ぶには専門知識が求められます。例えば、セメント系グラウト材と合成樹脂系グラウト材では硬化時間や耐久性が異なるため、現場条件に適したものを選ばなければなりません。

コストが高い

グラウト材は通常のモルタルやコンクリートに比べて価格が高めです。したがって、適切な使用量を見極めることが、コストパフォーマンスの向上には不可欠です。

漏出リスクがある

硬化時間が長すぎる場合、グラウト材が充填部分から漏出する可能性があります。これにより、施工箇所以外の周辺環境に悪影響を及ぼすこともあります。適切な硬化時間と施工管理が重要です。

まとめ

グラウト材は、ひび割れや亀裂の補修、地盤改良、構造物の補強など、多岐にわたる用途で活用される重要な建築資材です。その高い流動性や収縮が少ない特性は、施工品質の向上に大きく貢献します。

しかし、種類が多く選定が難しい点やコストが高い点など、注意すべきポイントもあります。土木施工管理技士としては、現場条件に応じた適切なグラウト材の選定と施工計画を立案することが、成功の鍵となります。

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