採石業務管理者は、採石場での作業について計画を作成したり現場を監督したりする国家資格です。このページでは、土木施工管理技士として知っておくべき「採石業務管理者」の役割や資格取得の流れをまとめました。
採石業務管理者とは、採石場で採石作業を行うための計画書を作成し、それぞれの計画に沿って採石作業を行えるよう現場を監督するプロフェッショナルであり、法律によって定められている国家資格です。
採石業務は公共工事や土木工事において地盤を強化するために欠かせない工程であり、採石業務管理者は岩石の採取を行う現場や事業所において必ず配置しなければならない点も重要です。そのため、採石業務管理者は建設業界や土木業界にとって必要不可欠な人材であり、資格を取得しておくことでキャリアアップや転職でも有利な条件を獲得できるチャンスが広がります。
採石業務管理者の仕事は、大きく分けて現場における作業の監督と全体の安全管理の確保です。実際の業務は多岐にわたり、たとえば採石場を所管する都道府県の知事へ提出するための採取計画を作成したり、実際の採取現場で安全な労務環境を確保したり、作業員に対して適切な安全教育を実施することが求められます。
採取計画を作成する際には、岩石採取場の区域を定め、岩石の種類や数量、採取期間を策定し、その方法や設備についてまとめ、災害防止に向けた対策を講じる必要があります。加えて、採取計画に変更が生じた際も採石業務管理者の責任の下で届け出る必要があります。
採石業務管理者は国家資格であり、資格試験は各都道府県が年1回実施しています。資格取得にはその試験に合格しなければなりません。
採石業務管理者試験は法令に関する問題と技術に関する問題の2科目があり、それぞれ10問ずつ、合計で20問の問題が出題されます。試験に合格するためには各科目で10問中7問の正答が必要であり、正答率7割以上を達成することで資格を取得できます。
採石業務管理者試験は、各科目において10問中7問の正答が必要であり、試験範囲もあらかじめ分かっているため、一見すると難しく感じられないかもしれません。
しかし全国的な試験結果を見ると、合格率はおよそ20%台から30%台を推移しており、3割程度の人しか合格できません。時期によっては合格率が約2割になることもあります。
そのため、採石業務管理者試験に合格するには、法令や技術についてしっかりと勉強し、準備を整えて試験に臨むことが必要です。
採石業務管理者試験は出題数こそ各科目10問ずつですが、試験の出題範囲が広く、とくに関連法令については普段馴染みのない法律や条文を覚え、その内容を正しく理解する必要があります。
そのため、採石業務管理者試験に合格するには十分な勉強時間が必要であり、一般的には「180時間」程度とされています。
しかし、全国的な合格率が2割から3割程度であることを考えると、もう少し余裕を持って勉強時間を確保するほうが無難です。採石業務管理者を目指すのであれば、早めに勉強を始めることが賢明です。
採石業務管理者試験の合格を目指すには、少なくとも180時間の学習が必要とされていますが、実際に仕事をしながら勉強することを考えると、学習のポイントやコツを把握しておくことも大切です。
ここでは、採石業務管理者試験の攻略法として意識すべきポイントを紹介しますので参考にしてください。
採石業務管理者の試験は出題範囲が広いものの、毎年ほぼ必ず出題される頻出分野があります。たとえば、以下のような分野です。
頻出分野の正答率は可能な限り100%に近づけておきましょう。
採石法の条文は何度も読み返して徹底的に復習することが大切です。条文をしっかりと覚え、その適用方法や具体例も把握しておきましょう。
基礎学習が終わったら、実際の試験を想定して過去問を解いてみましょう。最低でも過去5年分の問題に挑戦し、間違えた問題があれば復習し、なぜ間違えたのか理由や原因も考えることが大切です。
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