チャンスは年1回、全国の主要都市で受けられる
土木施工管理技士の試験は一般財団法人全国建設研修センター(※)が管轄しています。2級・1級ともに試験は学科試験と実地試験の2種類あり、それぞれ別の日程で行われます。年1回の実施でそれぞれ受けられる種類が決まっています。
試験は全国の主要都市で開催されるため、最寄りの開催地を確認しておきましょう。
申し込みは専用の用紙で行います。インターネット、電話、窓口、現金書留で送付の4つの方法で購入することができます。必要事項を記入したうえで、住民票などの書類をそろえて郵送で申し込みます。
今年の1級土木施工管理技士検定試験の申込受付期間は3月17日(火)~31日(火)まで。1級の学科試験は、7月5日(日)に実施され、合格発表日は8月20日(木)です。1級の実地試験は10月4日(日)に実施され、合格発表日は2021年1月15日(金)です
申込受付期間 | 3月17日(火)~31日(火) |
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学科試験 | 7月5日(日) |
学科試験・合格発表日 | 8月20日(木) |
実地試験 | 10月4日(日) |
実地試験・合格発表日 | 2021年1月15日(金) |
2級土木施工管理技士検定試験学科試験(前期試験)の申込受付期間は3月4日(水)~3月18日(水)です。学科・実地試験、学科試験(後期試験)の申込受付期間は7月7日(火)~7月21日(火)です。
「学科試験(前期試験)」の実施日は、6月7日(日)。合格発表日は7月7日(火)です。「学科・実地試験、学科試験(後期試験)」の試験日は10月25日(日)。合格発表日は学科試験(後期試験)が2021年1月15日(金)。学科・実地試験が2021年年2月3日(水)です。
学科試験(前期試験)の申込受付期間 | 3月4日(水)~3月18日(水) |
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学科・実地試験、学科試験(後期試験)の申込受付期間 | 7月7日(火)~7月21日(火) |
学科試験(前期試験) | 6月7日(日) |
学科試験(前期試験)の合格発表日 | 7月7日(火) |
学科・実地試験、学科試験(後期試験) | 10月25日(日) |
学科・実地試験、学科試験(後期試験)の合格発表日 | 学科試験 2021年1月15日(金) 学科・実地試験 2021年年2月3日(水) |
土木施工管理技士の資格試験を受験するためには、基本的に現場での実務経験が必要になりますが、2級と1級では必要な期間が異なります。また、最終学歴や専攻していた学科によっても必要な実務経験年数は変わってきます。
2級土木施工管理技士の受験は以下の3パターンに分けられます。
学科のみであれば、受験年度中の年齢が17歳以上なら受験可能です。学科と実地を同時に受験する場合は、学歴と実務経験年数によって異なります。
例えば、指定学科の大卒の場合は、1年以上の実務経験、指定学科以外の高校卒業の場合、4年6ケ月以上の実務経験が条件となります。
実地試験のみを受験する場合、以下が条件となります
学科試験の免除者については、さまざまな条件に分かれていますので、詳しくは全国建設研修センターの公式サイトでご確認ください。
1級土木施工管理技士の受験資格は、学歴や資格による条件があります。学歴による場合、指定学科の大卒の場合、3年以上の実務経験年数が条件となります。
また、指定学科以外の高卒では、11年6ヶ月以上の実務経験が必要です。
資格による条件では、それぞれで必要な実務経験年数が異なります。
たとえば、2級合格後の5年以上の実務経験が必要ですが、専任の主任技術者の経験が1年以上ある場合は3年以上となります。
また、実地試験のみ受ける場合、次のような条件があります。
学科試験の免除者にもいくつかの条件がありますので、詳しくは全国建設研修センターの公式サイトでご確認ください
※参照元サイト
全国建設研修センター公式サイト 2級土木施工管理技術検定試験
http://www.jctc.jp/exam/doboku-2
全国建設研修センター公式サイト 1級土木施工管理技術検定試験
http://www.jctc.jp/exam/doboku-1
合格率は、1級・2級ともに学科が50%前後、実地が30%前後
土木施工管理技士の試験は学科と実地試験があります。学科試験は土木全般の知識から法規問題、施工管理についてなど幅広い範囲から4択の選択問題が出題されます。実地試験はより実務よりの知識を求められ、学科のような選択問題に加えて記述方式の出題もあります。実地と聞くと実際に何か作業をするようなイメージがありますが、「実技」のテストはありません。
合格率については年度によっても変化がありますが、ここ数年の平均は1級・2級ともに学科試験が50%前後、実地試験が30%前後。学科、実地の両方に合格して土木施工管理技士となれます。
求められる知識のレベルは高くなりますが、受験資格を満たしているなら1級にチャレンジするのもおすすめです。
2019年1級土木施工管理技士試験の合格率は、学科試験が54.7%(受験者数:33,036名、合格者数:18,076名)、実地試験45.3%(受験者数:24,688名、合格者数:11,190名)でした。学科・実地ともほぼ半数の受験者が合格しているのがわかります。
学科合格者全員が受験したと考えれば、学科・実地合わせた合格者は約1/4となかなかの難関とわかります。前年比では、学科試験が56.5%→54.7%とやや合格率ダウン、実地試験では逆に34.5%→45.3%とやや合格率が上昇しています。
難易度は高めですがモチベーションを高め日々学び続けられれば合格できるでしょう。そのためにもこちらの現役土木施工管理技士へのインタビュー記事をぜひご覧ください。
土木施工管理技士の実際の働き方などを知ることでモチベーションを上げることができるはずです。
2級も見てみましょう。学科試験の合格率は67.1%(受験者数:18,825名、合格者数:12,625名)、実地試験の合格率は39.7%(受験者数:31,729名、合格者数:12,611名)でした。前年度比では、学科試験が63.4%→67.1%とやや改善。実地試験も35.0%→39.7%で改善していますが、合格者が40%に満たない実地試験は、相当な難関である実態が明らかになります。
1級・2級ともに、実地試験の合格率は学科試験以下で、なかなかの難関ですが、それでも10年前の2009年の1級実地試験19.1%、2級実地試験23.1%に比べると、かなりの改善が見られます。また、合格者数でも10年前に比べると1級・2級ともに約1.5倍に伸びていて、土木施工管理技士への社会の期待の大きさがわかります。
学科試験は参考書などを用意してひたすら勉強する必要があります。出題形式の中で、ジャンルを選択できる問題がありますので、まずは計画を立てていくつかのジャンルに絞って勉強していくのが良いでしょう。
実地試験については、記述式の解答になりますので単純な暗記などでは乗り切るのが難しいです。有料になりますが、資格取得を目的としたスクールなどが主催している土木施工管理技士の講習会に参加するのも一つの手です。数万円の講習料がかかりますが、プロに記述のコツなどを教えてもらえますので、効率の良い勉強が可能になるでしょう。
また、実地試験の対策講座などを行っている会社もあるようです。
得意分野を中心に試験勉強をおこない、苦手分野で時間を無駄にしない
土木施工管理技士の試験に限られませんが、試験に合格するための方法、コツと呼ばれるものがあります。試験合格という一点だけを見つめてがむしゃらに勉強することも決して間違いではありませんが、合格するためにポイントを押さえることも必要です。出題傾向を知り、出題の形式を知り、また試験日までのスケジュールを把握することで、効率の良い勉強法を選ぶことで、合格できる確率を上げることができます。
土木施工管理技士の試験では、例年であれば30%前後の合格率となっています。そのため、合格するのは一筋縄ではないと言えるでしょう。土木施工管理技士の試験について、効率の良い勉強法としてあげられるコツは、「得意分野を中心に試験勉強をおこない、苦手分野で時間を無駄にしないこと」であると言えます。
そこで下記では、得意分野を伸ばすために選ぶべき勉強方法や、試験日のスケジュールから逆算して試験までの時間を無駄にしないコツについて、解説していきます。
「土木施工管理技士」の資格を取得するためには、1級・2級どちらも、実地試験(筆記試験)に合格しなければなりません。一定年数以上の実務経験がある方が受験できるようになるので、「業務経験があれば試験も合格できる」と思われるかもしれません。しかし、試験の出題傾向や形式を理解したうえで勉強しなければ、なかなか合格は難しい試験でもあります。
「土木施工管理技士」の試験に合格するコツである「得意分野を伸ばす勉強法」は、なによりも、自分の性格や状況にあった勉強方法をあやまらず選択することから始まります。下記では、具体的な勉強法である「参考書」「動画」「専門学校」それぞれのメリットについてまとめていますので、参考にしてみてください。
独学で試験勉強をしたい人にとって、参考書で学ぶことも手段のひとつです。参考書であれば、専門学校に入学するといった勉強方法よりも、比較的安価で済ませられます。スケジュールに余裕があるのであれば、現場での実務経験を重ねながら並行して勉強することも可能です。また、自分の得意分野など、必要な部分だけ学ぶことができるのも、参考書で学ぶメリットのひとつです。
参考書で試験勉強をするポイントは、「テキスト選びを謝らないこと」と「自分の修学レベルとスケジュール管理がきちんとできること」です。
選ぶべきテキストとしては、「1級土木施工管理技術検定試験問題解説集録版」や「2級土木施工学科&実地試験 徹底図解テキスト」などが良いでしょう。いずれも、各年度のものが出版されており、試験の分野ごとに学ぶことができるため、得意分野を効率的に伸ばすことができます。過去問集としては、「1級土木施工管理技術検定実地試験問題解説集」がオススメです。
最近では、動画教材を活用した試験勉強をしている人も少なくありません。ただし動画教材は、あくまでも学習の補助的な使い方をしたほうがよいと言えます。動画だけで試験勉強をすることは望ましくありません。例えば、電車での移動中や業務の合間時間などに視聴して、自分が勉強した部分の復習をする、といった使い方が適しています。
「CIC」や「CECC」といった動画教材であれば、4万円ほどで動画学習を受けることができます。「CIC」はさらに、添削にも対応してくれます。
動画教材のメリットは、なによりも、繰り返して視聴することで学習した内容をより理解できる点です。音声によって試験分野を開設してくれますから、単発で隙間時間に視聴ができます。長距離の電車移動が多い方などは特にオススメの勉強方法と言えるでしょう。
土木管理施工技士の資格取得に対応している専門学校に入学することができれば、学習のスケジュール管理も自分でする必要がありません。わからないところは直接的に講師に聞くこともできるため、独学で学ぶことが苦手な人にはおすすめ勉強方法です。また、過去に独学で受験した結果、合格できなかった人にもオススメです。
一方、専門学校に入学するデメリットは、テキストを利用した独学と比べれば、受講料が高額になってしまうこと。さらに、通学が必要な場合は、試験勉強以外にも時間と労力がとられてしまう場合もあるでしょう。
土木管理施工技士の試験学習に対応している専門学校としてあげられる学校は、「日建学院」をはじめ、「総合資格学院」、さらには「ユーキャン」といった通信教育まで、幅広くあります。「日建学院」は集中短期の講座で25万円ほどの学費がかかりますが、合格率は確実に高めることができるでしょう。「総合資格学院」の学費は40万円ほど。専門学校のなかでは半年ほど時間をかける学習スケジュールになっているため、短期集中ではなくゆったりと準備を進めたい方にオススメです。「ユーキャン」は、6万円程度の講習費用で通信講座を受講することができるほか、講師の添削も受けることができます。参考書よりも一歩踏み込んだ学習ができますね。
次は、「土木施工管理技士」の試験に合格するもうひとつのコツである、スケジュール管理についてみてみましょう。
「土木施工管理技士」の試験に合格するためには、1級の場合は600時間、2級の場合は400時間を目安とする学習時間が必要であると言われています。1年間準備ができるとしても、毎日1時間〜1.7時間以上は勉強しなければならない、ということです。より効率的に学ぶためには、半年程度前から集中的に試験勉強にとりかかり、効率的に勉強時間を確保しながら、自分の学習の度合いと残りのスケジュールを管理しなければなりません。
「土木施工管理技士」の試験に向けて準備を始めるのは、試験日から半年ほど前の時期であることが一般的です。もちろん、それ以前から準備ができるのであれば、それに越したことはありません。
最初の1、2ヶ月の期間は、基本的な学習準備にあてるようにしましょう。基礎を最初に押さえておくことで、後の学習において誤った内容理解をしてしまう危険性を減らすことができます。試験問題を回答するために必要な基本的な知識を学びつつ、過去の出題傾向なども押さえておくようにしましょう。
続く2、3ヶ月の期間は、自分の得意分野と苦手分野に基づいた学習を繰り返し行うことをお勧めします。後にも触れますが、「土木施工管理技士」の試験では、最低60%の正解率をあげることができれば、合格できます。そのため、得意分野を絶対に間違わないようにする、得意分野を柱として全体を伸ばしていくような学習スタイルこそ、最も効率的です。
得意分野を伸ばすためには、とにかく過去に出題された問題を繰り返し解いていくことです。というのも、「土木施工管理技士」の試験の出題傾向をみれば、過去に出題された問題から内容が大きく変わることがないためです。そのため、「過去問題の問題集を徹底的にやり込む」ことこそ、合格への近道であると言えます。
「土木施工管理技士」の試験では、60%以上の正誤率で解答できれば、合格することができます。得意分野を絶対に間違わないように繰り返し学ぶが、合格への近道です。
ただし、「苦手分野はいっさい捨ててしまってOK」というわけではありません。過去問を徹底的に繰り返すことで、始めはなかなか理解できなかった分野であっても、徐々に理解できるようになってきます。合格率を高めるためにも、苦手分野の勉強を疎かにはしないようにしましょう。
受験資格は人さまざまですが、試験内容は同じです。日々の積み重ねが結果へと結びつきます。
その日に行った工種や工法について学習するとイメージが湧きやすく、理解がスムーズです。
難易度についてですが、学科試験は1級も2級も大差ないと感じました。しかし、実地試験(論文)はテーマが絞られるので文章を書きあげる知識と応用力が要さると感じました。
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