こちらでは、コーティング作業のひとつであるプライムコートについて解説しています。プライムコートの特徴のほか、使用することによって得られるメリット、散布するためのいくつかの方法、施工する前にすませておくべき工程、そしてタックコートとの相違点などもあわせてみていきましょう。
プライムコートの散布は、道路舗装の際におこなわれるコーティング作業です。プライムコートの散布後には、砂の散布もおこなわれます。これは、アスファルト乳剤が付着してしまったり、あるいは路盤から剥がれてしまったりすることを防ぐためにも、必要不可欠な作業です。
ちなみに、プライムコートのおもな目的は防水です。そして、この作業により、ほかにも路盤表面部を安定させることができるなどさまざまなメリットを得られます。これらを含む4つのメリットは次の通りです。
仕上げ工程までが済んでいる路盤の表面部にプライムコートを散布し、浸透させていくことで、安定感をアップさせることができます。プライムコートには、アスファルトの安定処理や表面処理のために使用される「アスファルト乳剤」が含まれているからです。
プライムコートを道路の表面全体に散布しておけば、表面から水が浸透していってしまうのを避けることができます。また、雨が降ったときに凸凹になってしまうのを防止する役割もあります。
「毛管上昇」とは、管内部の液体が上昇していく現象です。管が小さければ小さいほど、上昇しやすくなる性質があります。プライムコートを散布しておけば、この現象を防ぎ、水分を遮断することが可能になります。散布養生をしないままの状態にしておくと、毛管上昇が起こり、路盤から水が出てきてしまう場合もあるので、注意が必要です。
路盤とアスファルト混合物をじょうずになじませたい時にも、プライムコートを使用するのがおすすめです。できるかぎり均一に散布するようにしましょう。
プライムコートのおもな散布方法としては、次の2つが挙げられます。
アスファルト乳剤を散布するために使用される車両のことを、ディストリビューターと呼びます。この車両には、アスファルト乳剤用のタンクが搭載されています。車両後部に設置されているノズルからアスファルト乳剤を噴射して、散布をおこないます。
アスファルト乳剤を入れたドラム缶や一斗缶などの入れ物とスプレーヤーをホースなどでつなぎ、散布をおこなうための装置をスプレーヤーといいます。狭い施工現場だと、上述のようなディストリビューターが入れないこともあるので、そのような場合に便利な方法だといえます。エア式とギア式の2種類があります。前者は手動、そして後者はガソリンを動力源とするポンプです。
道路舗装を行う際に、最終的な仕上げとしておこなわれる作業が、プライムコートの散布です。ここでは、そのまえにおこなわれる2つの工程について、それぞれみていきます。
地盤を整形してから固める工事のことを、路床工時と呼びます。1mを超える厚みになる場合もあるので、しっかりと固める必要が生じるのです。振動ローラーやタイヤローラーなどの機器を使用します。
参照元:施工管理求人 俺の夢(https://www.oreyume.com/column/knowledge/19593/)
路床工事と同様、一定の厚さになるように、むらなく敷いて固める工事のことです。固めれば密度がアップするので、平坦性を確保することができます。ちなみに、敷く作業には、モーターグレーダーを使用します。
プライムコートの第一の目的は防水ですが、その他にも、基層と上層路盤に使用することで路盤とアスファルトをしっかりとなじませる役割なども担っています。一方、タックコートの場合は、新しいアスファルトとその下の層をしっかりと付着させることが目的です。タックという言葉は「つなげる」という意味です。いわば、接着剤としての役割が、メインだといえます。
本サイトの監修・取材協力企業
株式会社ティーネットジャパンとは
発注者支援業務において
日本を代表する企業
株式会社ティーネットジャパンは、公共事業の計画・発注をサポートする「発注者支援業務」において日本を代表する建設コンサルタントです。
建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで22年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2024年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2024」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。