建設工事をおこなう際に欠かせない作業のひとつに「地盤構成の把握」があり、ボーリングマシンという重機が使用される工法です。
このページでは、ボーリングマシンの特徴や活躍場所、部品、使用上の注意点、そして操作するための資格などについて解説しています。
ボーリングマシンに関する知識は、現場監督として安全に工事を進めていくためには必要不可欠です。土木施工管理技士の資格をとって建設業界で活躍していきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
建設業界でいうところのボーリングとは「地質調査」ことです。トンネルやその他の構造物を建設する際には、あらかじめ地質のコンディションを把握しておくことがかかせません。そして、地質調査がボーリングと呼ばれるのは、穴を掘って地質を調査する方法がとられるからです。「突き通す」という意味をもつ英単語である「boring)」が由来となっているわけです。
ちなみに、なぜ地質調査が必要なのかという点についてですが、調査によって地質を把握することができれば、たとえば、建物の基礎となる杭の延長を決めようとするときに、どのくらいの深さまで打ち込むべきかを判断することなどが可能になるからです。
土木・建設工事の現場などが主な活躍の場です。マンションや家などを建てる前におこなわれる地質調査で、ボーリングマシンが使用されます。ほかにも、石油や天然ガスの掘削現場やでも災害調査、地下水位を観測する際などでも使用されます。さまざまなシーンで幅ひろい目的で導入されている重機であることがわかります。
コアを採掘するときに必要な部品には、次のようなものがあります。
上記で紹介した部品のうち、コアチューブとボーリングヒットについて、さらにくわしく解説します。
定めた深さまでロッドを繋ぎ、ボーリング孔の最下層までおろして使用する部品を、コアチューブといいます。おろした後は、機械にロッドを設置し、掘削してコアを取ったら引き上げて回収します。
回転や給圧の力を、ボーリングビットへ伝える部品です。さらに、ポンプから流れる水を供給し、かつ、ボーリングビットを冷却することで、掘削がスムーズに進みやすくなります。
ボーリングマシンは操作を誤ると大事故を引き起こしてしまう可能性のある重機なので、取り扱いには充分な注意が必要です。
特に多いのが、地中にある埋設管や構造物を損傷させてしまう事故です。事前の慎重な確認が事故を防止する上で大切なポイントと言えます。
また、エンジン駆動部分に服の端が巻き込まれてしまい、それが人身事故につながる事故も多く見られます。ボーリングマシンを扱うときには、事前確認だけでなく、使用中にも細心の注意が払いましょう。
ボーリングマシンを運転するには「ボーリングマシン運転業務特別教育」を受ける必要があります。学科と実技がそれぞれ実施されており、この特別教育を受けた場合は、科目内容や受講者などに関する情報を、3年間保存するよう事業者に義務付けられています。
ボーリングマシン運転業務特別教育を受けていない人にボーリング作業をさせた事業者は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金を科されることがあります。
ボーリングマシンは使用頻度が高い機械のひとつです。ですから、安全に効率よく工事を進めていくためには、部品の名称や特徴などもふくめ、取り扱い方をしっかりと把握しておくことが大切です。
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