建設工事にはたくさんの基準が設けられています。基準に違反してしまうと、場合によっては罰金刑や懲役刑などが科せられることもあります。ですから、施工管理を担う立場である土木施工管理技士として工事に携わる際には、関連する法律についての知識を身に付けておくことが大切です。どういった法律においてどのような点が違反行為に該当するのかを、あらかじめ把握しておきましょう。
こちらでは、土木・建設工事に深い関係がある都市計画法について紹介しています。法律の概要や必要性、違反した場合の罰則、そして開発行為に該当する工事などについてみていきましょう。
街づくりにおけるさまざまなルールを規定している法律です。都市計画法は、都市を開発・利用しようとする場合に一定のルールを決めておくことで、人々がその都市で引き続き快適に生活を送っていけるようにするために定められた法律です。
都市計画の内容や決定する際の手続き・都市計画制限・都市計画事業など、都市計画を作成する上で重要となる事柄に関する取り決めがなされています。都市が健全に発展を続け、かつ、秩序ある整備が進められるようにすることで、日本国土の均衡ある発展および公共の福祉の推進につなげていきたいというねらいがあります。
都市計画法においては、三大都市圏(首都圏・近畿圏・中部圏)と政令指定都市は、「都市計画区域」と「地域地区(用途地域など)」のふたつに区分されるとしています。
ただ、その他のエリアについては、区分するかどうかは各都道府県が判断することになります。この区分は、基盤整備をはじめとする公共投資の効率アップや良質な市街地形成などにつなげるためにおこなわれます。
都市計画区域はさらに、「市街化区域」「市街化調整区域」の2つに分けられます。市街化区域に分類された区域では、計画的な市街化を、できるだけ優先して実施されることになります。
環境をまもることを目的として、住居・工業・商業といった大枠としての観点から、土地の利用方法を定めていくのが「地域地区」です。また、用途地域に指定された場合には、目的に沿って建物の種類を決定していきます。建物の用途に制限を加えるだけでなく、建て方自体のルールも決められているのが大きな特徴です。
違反行為に該当しているとされた場合には、その内容によって、罰金や過料が科せられることになっています。具体例の一部として、次のようなものがあげられます。
建物を建築したり特定工作物を建設したりする際に、区画の変更・形状の変更・性質の変更のうちいずれかをおこなうことを、開発行為といいます。
家を建てる際には、その土地がもともと宅地用の土地であれば、すぐに建て始められるのですが、そうでなければ、最初に敷地の整備をおこなうことになります。
たとえば、山林や水田に家を建てようとするのであれば、宅地造成によって、建物を建られる土地づくりをする必要が生じるのです。まずは山林や水田の形を変え、その次に区画割りをし、そして整備された宅地に住宅を建てる、という流れになります。この場合は、まさに開発行為に該当しているといえます。
開発行為は周辺の地域に影響をおよぼすものであるため、開発許可申請をする必要があります。申請にあたっては、あらかじめ役所と打ち合わせをしておかねばなりません。たとえば、都市計画区域内での開発行為であれば、一部除外規定はありますが原則としては、都道府県知事の許可を受けることになります。
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