防災テックとは、防災とテクノロジーをかけ合わせた造語。地震や豪雨などによる自然災害の予測、災害現場の状況確認、災害発生時の通信確保、災害発生後の被災者の支援等々、災害によって発生しうる様々な問題について、テクノロジーの力で解決を目指す考え方が、防災テックです。
未曽有の東日本大震災による被害、そして、今後発生が予想されている何回トラフ地震や首都直下型地震。また、毎年のように日本で発生する豪雨被害や台風被害。常に巨大な自然災害と隣り合わせている日本だからこそ、早急に防災テックに基づいた具体策を実行していくべきでしょう。
これからの防災テックのキーポイントとなる考え方が、「仮想的な災害現場におけるAIの訓練の蓄積」と「災害対応も備えた多機能ロボットの開発」です。
AIによる学習機能は非常に高度ですが、災害によるに頻度の低い事象を学習することは苦手です。また、偏りのある事象を取り込んだ場合、AIによる予測にも偏りが生じてしまいます。
そのようなAIの弱点を補って精度の高い災害予測を行うためには、標準出来で実寸大の仮想的な災害現場を作り出し、その現場で学習を蓄積させる必要があるでしょう。
かねてより日本ではロボット市場が盛んなものの、「災害用ロボット」のみでは市場形成ができません(=商売が成り立たない)。そこで今後は、市場ニーズのあるロボットシステムに「災害時にも対応できる」というコンセプトを採り入れ、研究開発を進めていく必要があるでしょう。
防災テックの考えに基づき、官民あらゆる研究機関が、様々なシステム開発に取り組んでいます。それらシステムの代表例を2つほど見てみましょう。
災害時の避難訓練には広いスペースや大がかりな準備が必要となるため、なかなか日常的に避難訓練をすることができません。そこで株式会社理経は、狭い場所でも避難訓練を疑似体験できるシステム「防災訓練用VR」を開発。実際の災害に遭遇したときでも冷静に対応できるよう、現実の災害に近い感覚で火災や水害を体験できるVRを開発しました。
東大発のベンチャー企業「Arithmer(アリスマー)」は、最新のAIと高度数学を活用した浸水予測システムを開発。ドローンの測量データを基に、AIが降水量や河川の決壊箇所などを予測し、家屋1軒単位で、かつセンチメートル単位で浸水状況を推定します。東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県広野町では、将来的な水害発生への備えとして、すでに同システムを導入しています。
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