このページでは、ボイラー技士の資格について解説しています。仕事内容や資格試験の概要および合格率、そしてボイラー技士の資格を活かせる働き先や平均的な収入などをみていきましょう。
ボイラーを取り扱い、水蒸気や温水などの熱をつくり、そして供給することがボイラー技士のおもな仕事です。提供された熱は、オフィスビルや工場、学校、病院、宿泊施設、銭湯、スポーツクラブなど、幅ひろい施設で利用されています。
水が水蒸気に変化すると、その体積は液体だったときの1,700倍にもなります。ボイラー内に水蒸気になった水がたまってしまうと、その圧力によってボイラーにひびがはいったり壊れてしまったりする可能性があるので、取り扱いには充分な注意が必要です。そのため、管理しているボイラー技士には、慎重さをもって仕事をし、そして仮に異常があれば、迅速かつ適切に対処するための知識・スキルが求められます(※1)。
ボイラーに関連する国家資格であるボイラー技士。試験に合格するための難易度は、特級、1級、そして2級の3段階です。取得している級によって、扱える蒸気ボイラーの伝熱面積が異なります。たとえば、100平方メートルの伝熱面積があるボイラーが設置されている現場では、1級あるいは特級を取得したボイラー技士がいなくてはならないと定められています。
また、ボイラーを扱う職場などでは、ボイラー取扱作業主任者を選任することが求められています。ですから、どのスタッフも2級までしか取得していない場合は、選任すること自体が不可能になってしまうのです。
土木・建設現場で働くうえでは、ボイラーを扱うための資格であるボイラー技士を取得しておけば、さらなるキャリアアップにつながる可能性があります。けれども、やはり級が上がるにつれ、資格試験の合格率も下がっていくようです。それなの難易度がある試験だということを、あらかじめ把握しておくようにしましょう。
令和2年度の1級ボイラー技士および特級ボイラー技士の合格率についてですが、1級は、50.9%です。そして特級は29.1%という結果となりました(※2)。
ボイラー技士の資格を取得しておけば、働き先の選択肢を広げることができます。資格を活かしやすい就職先としては、次のようなところが挙げられます。
ビル管理会社のなかで、商業施設やオフィスビルなどを運営しているところへの就職も選択肢のひとつです。商業施設やオフィスビルなどは数自体が多いためニーズも高いですし、また、そういった施設では、規模の大きなボイラーを使用していることが一般的だからです。
発電所や工場などでも、当然、ボイラー技士が必要です。特級ボイラー技士の資格を取得している方であれば、かなり大きな工場からのニーズもあります。基本的な業務内容は、毎日の点検業務やプラントの操作、そしてボイラーが故障した際におこなう修理の手配などです。
ホテルや旅館などの宿泊施設は、大規模なボイラーが使用されている代表的な施設だといえます。温泉を供給したり空調コントロールをしたりするために大きなボイラーが活用されているケースも珍しくありません。ボイラー技士へのニーズがある業界です。
入院病棟を持っている病院も、ボイラーを設置しています。病院の規模が大きくなればなるほど、ボイラーの規模も大きくなっていきます。
建設業界で働いている方はご存知だと思いますが、ボイラーを設置する予定のある施設の建築をおこなう場合には、ボイラー技士に、現場での立ち会いを依頼するケースがあります。このことからも、建設現場で活躍していくうえでは、ボイラー技士を取得していることのメリットを得られる機会もありそうだといえますね。実際、ボイラー技士の保有者を募集している建設会社もみうけられます。
商業施設やビルの建設が都心部で進んでいるので、ボイラー技士への需要も高まりをみせています。資格を取得しておけば、転職だけでなく就職後の安定感という観点においてもプラスにはたらくと考えられます。
平均年収についてはさまざまなデータがありますが、一例として「求人ボックス」が公表している2021年9月9日時点の情報をみてみましょう。その情報では、平均年収は384万円となっています。また、ボリュームゾーンは320万円から376万円ほどであると見込まれるようです(※3)。
(※1~3)参照元:CIC日本建設情報センター(https://www.cic-ct.co.jp/boira/column01)
本サイトの監修・取材協力企業
株式会社ティーネットジャパンとは
発注者支援業務において
日本を代表する企業
株式会社ティーネットジャパンは、公共事業の計画・発注をサポートする「発注者支援業務」において日本を代表する建設コンサルタントです。
建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで22年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2024年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2024」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。