PRIDE~次世代へつなぐ 土木施工管理技士の新しい働き方 » 【2025】おさえておきたい土木建設業界「旬ワード」 » 道路防災とリスクアセスメント

道路防災とリスクアセスメント

地震や豪雨、土砂災害による道路被害が各地で発生し、地域の安全や物流機能が脅かされるケースが増えています。こうした状況を受けて注目されているのが、「道路防災」と「リスクアセスメント」という考え方です。

「どこに、どんなリスクがあるのか」を把握し、施工前・施工中に的確な対応をとること。それは災害を未然に防ぐだけでなく、技術者として信頼される判断力にもつながります。

この記事では、道路防災とリスクアセスメントの基本から、施工管理技士として現場でどう活かすか、そして試験対策での押さえ方まで、わかりやすく解説します。

道路防災とは?命を守るインフラの視点

道路防災とは、道路に関する災害リスクをあらかじめ把握し、被害を最小限にとどめるための取り組みを指します。対象となるのは、のり面崩壊、落石、斜面崩落、浸水、橋脚損傷など多岐にわたります。

これらの災害は、通行不能による物流の停止にとどまらず、救急搬送の遅れや孤立集落の発生といった二次被害を引き起こす恐れもあります。だからこそ、「災害に強い道路」を整備することは、日常の安全と緊急時の命綱の両方を支える社会的使命といえるのです。

道路防災の取り組みには、災害前に備える「予防・保全」と、災害後の「応急復旧・復興」の両側面があり、とくに近年は“被害を出さない”ための事前対策が強く重視されています。

リスクアセスメントとは?土木における評価の基本

リスクアセスメントとは、「どのような危険が潜んでいるか」「どれほどの被害が起きる可能性があるか」を事前に評価・見える化する考え方です。

土木分野では災害だけでなく、施工時や維持管理上のリスクにも広く応用されており、定性的な勘ではなく、客観的なデータと根拠に基づく判断が求められます。

たとえば、のり面の勾配や地質条件から崩壊リスクを定量的に評価し、適切な補強工法(モルタル吹付、ロックボルト、アンカーなど)を選定することで、感覚に頼らない設計・施工が可能になります。

ハザードマップ、過去の災害履歴、現場の地形・地質データなどを統合的に活用することで、「見えない危険を見える化」することができ、より合理的な防災対策が実現できるのです。

なぜ今、道路防災にリスク評価が必要なのか?

近年の気候変動の影響で、局地的かつ激甚な自然災害が頻発しています。豪雨による斜面崩壊や台風による浸水、地震にともなう橋梁損傷など、道路に関わる災害リスクは年々増加傾向にあります。

加えて、高度成長期に整備された道路インフラの多くが老朽化し、補修や改築が必要な箇所も年々増えています。しかし、限られた予算・人員で全国の道路を網羅的に対策することは現実的ではありません。

そこで重要なのが、リスクアセスメントによる優先順位づけです。

どこが危険なのか、どの程度の影響が想定されるのかを事前に評価し、限られた資源を「本当に守るべき場所」に投入していく。これが、効率的で効果的な道路防災につながるという考え方です。

こうした考えは、国が進める「国土強靭化基本計画」や「防災・減災・国土強靭化のための5か年加速化対策」などとも方向性が一致しています。

現場でどう活かす?施工管理技士の判断と対応

リスクアセスメントは設計者だけの仕事ではなく、現場に立つ施工管理技士にとっても重要な判断材料になります。

たとえば、のり面のひび割れや小さな崩落跡など、図面や机上では捉えきれない変状に早く気づくのは、現場で日々観察している技術者です。また、仮設構造物の安定性、施工時の水替え、土砂の排出計画など、工事中の対応も災害リスクと密接に関わります。

現場では「安全第一」が基本ですが、それを実現するには「どこにリスクが潜んでいるか」を見極める力が必要です。さらに、地域住民や自治体と連携しながら、「安心できる」「備えが見える」と実感できる成果を届けることも、施工管理技士に求められる役割のひとつです。

試験対策ではどう活かす?キーワードと書き方のヒント

「道路防災」や「リスクアセスメント」は、一次・二次のどちらの試験でも押さえておきたいテーマです。

一次試験では、建設行政、土工、施工法の分野で、災害対策や老朽インフラの予防保全に関する設問で出題される可能性があります。

二次試験では、次のような視点で論述に活かすことができます。たとえば、「雨天時の施工における安全配慮」「のり面施工中に確認すべき変状」「仮設構造の点検体制」などをテーマに、どのような状況で、どう対応したかを時系列で説明できると、説得力のある答案になります。

まとめ

道路は、地域の命を守る“基盤”そのものです。その安全を支えるには、図面のとおりに工事を進めるだけでは不十分で、「どんなリスクが潜んでいるか」「いま何をすべきか」を自ら判断できる技術者が必要です。

道路防災とリスクアセスメントの考え方をしっかり身につけて、現場から地域の安全・安心を支えていきましょう。

本サイトの監修・取材協力企業

株式会社ティーネットジャパンとは

発注者支援業務において
日本を代表する企業

株式会社ティーネットジャパンは、公共事業の計画・発注をサポートする「発注者支援業務」において日本を代表する建設コンサルタントです。
建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで23年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2025年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2025」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。

株式会社ティーネットジャパン 公式サイト
引用元HP:株式会社ティーネットジャパン 公式サイト
https://www.tn-japan.co.jp/ja/
       

(株)ティーネットジャパン 全国積極採用中
求人情報をチェックする