土木業界でも注目が高まりつつあるMR。このページでは、VRやARの技術と比べながらMRという技術について解説していきます。また、工事現場でのMR活用事例や今後の展開などもあわせてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
MRと比較されることの多い技術として「VR」「AR」があります。こちらでは、これら2つの技術と比較しながら、MRとの違いがわかるように解説していきます。
注目を集めている技術のひとつであるMRとは、「Mixed Reality」という英語表現の頭文字を合わせた略語です。日本語に訳すと、複合現実という意味になります。
これは、ARをさらに一歩発展させたもの、あるいはARとVRを融合させたものであると説明することができます。つまり、カメラやセンサーで物体の位置情報を算出して、実際には存在しないバーチャルな対象物を、角度を変えたり裏側に回り込んだりして見れるようにする技術を応用し、現実世界との複合をはかっていこうとするのがMRです。
現実世界に、CGで作製したバーチャルな物体などの仮想現実を違和感なく表示するだけでなく、触れるなどしてよりインタラクティブなアプローチをすることも可能になります。
VRとは英語表現「Virtual Reality」の頭文字を合わせた略語で、日本語に訳すと「仮想現実」といった意味になります。CGなどで仮想現実空間をつくり出し、さまざまなシチュエーションで疑似体験をすることが可能です。乗り物の操縦や外科手術などの訓練用シミュレーターとしても役立てられています。
ARとは英語表現「Augmented Reality」の頭文字を合わせた略語です。「拡張現実」と訳すことができます。CGなどでつくり出した仮想現実を現実の空間へと拡張することで、デバイスを通して見る実際の風景と重ねることが可能に。衣類の試着や家具の配置など、さまざまな動作をシミュレーションするためのアプリでも活用されています。
MRの技術を応用することで、建設現場でも数多くの確認作業やメンテナンスを実施することが可能になります。取り込んだCADデータを3Dデータに変換すれば、ヘッドマウントディスプレイ上にて実寸大で現実世界にレイヤー表示させることができるからです。ここでは、建築業界での活用事例を3つピックアップしてご紹介します。
ヘッドマウントディスプレイ上で、家庭の階段などに昇降機を取り付けるための図面を作成した事例です。実際の階段の映像をマッチングさせながら確認できるため、工程の簡略化やコスト削減につながりました。
鉄道駅のホームを増設する際に、鉄骨部材の組み立て作業の工程をあらかじめ可視化しておいたので、より安全な施工計画を立案することができました。
営業中の9線路を閉鎖し、100分間という限られた時間内で工事を終える必要がありました。そのため、MRを活用して事前に工程を可視化して準備。工程管理におけるMRの有効性が感じられる事例です。
MRをはじめとするさまざまな技術を建設現場で活用することで、困難とされてきた作業負担の軽減にもつながっています。今後も技術の発展が続き、そしてより多くの分野で導入されていくことが予想されます。さらなる省人化や業務効率化が可能になるでしょう。
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