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廃棄物処理法

このページでは、廃棄物処理法について解説しています。法律の目的や制定されるに至った背景、そしておさえておくべき3つの要素などをまとめました。違反した場合には罰則が設けられています。産業廃棄物を正しく取り扱うためにも、しっかりと理解しておきたい法律です。

廃棄物処理法とは?

廃棄物処理法は、おもに次のような内容について定めている法律です。廃棄物を扱う際には、この法律に違反することのないよう注意を払いつつ事業を進めていく必要があります。

  • 廃棄物処理法が制定されている理由
  • 「廃棄物」の定義
  • 廃棄物の処理方法および保管方法
  • 責任の所在と違反行為への罰則

廃棄物処理法が必要な理由

かつてこの法律がなかった時代には、各種廃棄物の取り扱いに関するさまざまなトラブルがみられました。廃棄物に対する適切な処理を施さない状態のまま廃棄されてしまうなどの不法投棄、そして処理にかかるコストが高騰していたため不適正な保管をしてしまうケースなどの件数が、増加を続けていたのです。廃棄物の処分場が不足していたことも原因となっていました。

こういったトラブルの背景には、高度経済成長がもたらした「大量生産・大量消費型の経済構造」があります。やがて廃棄物の不適切な処理による大気汚染・公害といった社会問題がフォーカスされるようになったことが、1970年に廃棄物処理法が制定される契機となったわけです。

参照元:e-reverse.com (https://www.e-reverse.com/introduction/waste_management/)

廃棄物処理法のベースとなる3要素

廃棄物処理法をしっかりと理解するためにも、この法律のベースとなっている3つの要素である「事業の許可制度」「廃棄物の区分」「事業者」について把握しておくようにしましょう。

事業の許可制度

他人の産業廃棄物を処分する事業をおこなう場合には、廃棄物処理を実施する場所の県知事や政令市長から、産業廃棄物処理業の許可を得る必要があります。

廃棄物の区分

廃棄物は「産業廃棄物」あるいは「一般廃棄物」のふたつに大きく区分されます。前者は、建設工事や工場でおこなわれた事業によって生じた廃棄物、つまり産業廃棄物のことです。後者は、産業廃棄物以外の廃棄物を指しています。

ちなみに、廃棄物処理法における産業廃棄物とは、事業活動によって発生する廃アルカリ・廃プラスチック・燃え殻・汚泥・廃油・廃酸類およびその他政令によって定められている廃棄物のことです。

事業者

「排出責任が誰にあるのか」という観点から事業者について考える必要があります。事業者は、事業活動で生じた廃棄物を、責任をもって処理しなくてはなりません。さらに、再生利用・ごみ減量への取り組みも大切です。そのため、国や地方公共団体の施策への協力も求められます。

廃棄物処理法に違反すると罰則もある

廃棄物処理法に違反すると、罰則などが科せられる可能性があります。他の法律と同様に、行政指導・行政処分・刑事処分などの対象となる場合もあるため、注意が必要です。

平常時に立入検査や報告徴収などが実施されるのですが、その際になんらかの違反事項がみとめられた場合は、行政指導へと移行されます。ただし、違反が軽微なものであるようなら、口頭指導および担当者名指導票の交付だけで済むこともあります。また、違反の度合いが軽微とはいえないときには、文書通知・改善計画書を提出しなくてはなりません。

是正がみられない場合には

違反を指摘されたあと、是正がみられるようであれば是正確認および経過観察がおこなわれる流れになります。けれども、是正がみられないときには、行政処分に入ります。そうなると、改善命令や措置命令などが出されますので、それに従って是正をしていかなくてはなりいません。

それでもなお是正されず、命令に従っていないと判断された場合には、施設や事業などの停止・取消し処分がおこなわれます。さらに、刑事処分へ移行し、刑事罰が要求されることになります。立件後に検察へ引き渡され、起訴される流れになります。

まとめ

廃棄物処理法は、人々の日々の暮らしに大きな影響をあたえる「生活環境」を守るための法律だといえます。実際、廃棄物処理法が制定される前には、廃棄物の処理をめぐるさまざまなトラブルや不適切な廃棄・保管などが多発しており、社会問題化していたのです。廃棄物処理法では、廃棄物の区分や処理法などが定められているので、廃棄物に関係がある建築業界に携わる立場としては、あらかじめ理解を深めておくことが大切です。

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