土木工事の一環でもあるダム建設。このページではダムの役割や、建設工事の特徴について紹介しています。
ダムという言葉はよく耳にしますが、そもそもダムとは何でしょうか?
簡単に言うと、ダムとは川の流れをせき止め、また水を貯水するための構造物のことです。日本においては河川法によって高さ15メートル以上のダムにおいて法令上・技術基準上の要件が定められています。たとえば15メートル以上のダムであれば水位や流量の観測・操作の規定が定められており、それに準じて操作する義務もあるのです。
ダムと同じような構造物として「堰(せき)」があります。基本的にはダムは山間部で堤防のないエリアに建造されるもので、堰は平野部の洪水が予測されるエリアに建造されるものと定められています。
川の氾濫や渇水しないように水量をコントロールし、水害から日常生活を保護する役割があります。たとえば洪水が起こりそうな川があっても、上流のダムに水を貯め、安全な量だけを放流することによって下流地域の洪水被害を防ぐことができるでしょう。
川の状況は雨量によっても大きく変わり、状況によっては極端に川の水が少なくなることも。そうなれば川に存在する生き物や船の運航にも影響をきたしかねません。ダムは川の水の量をコントロールし、周辺の環境を整える役割があります。
私たちの生活に水は欠かすことができないものです。ダムは生活に必要な水や、畑、工場などで使用する水も届ける役割があり、断水しないように調整しています。
ダムの近くに発電所があるところも多いでしょう。水力発電は高い位置から低い位置に流れるときのエネルギーを活用して発電する方法で、ダムで貯蓄された水の流れで水車を回し、その回転によって発電機を動かします。その発電機で作られた電気を各家庭に届け、私たちが使うのです。
コンクリートダムの中でもメジャーなダムの一つです。ダムの重量によって、水の力を抑え込む構造になっており、横から三角形の形状になっているのも特徴的。重い提体を支える必要があるため、硬い地盤のエリアに作られます。
アーチ状という特徴があるダムです。重力式コンクリートダムと比べると、提体が薄くてすむというメリットがあります。ただダムの両側や岩盤自体に水の力を分散させるという構造になっているので、頑丈な岩盤にしか建築できません。
重力式コンクリートダムの内部のコンクリートを取り除いたようなダムです。コンクリートを節約し、重さが少なくなったため、土台を広げるような形状になっています。
扶壁式ダムとも呼ばれ、水圧がかかる止水壁をバットレスで支える構造になっています。
ダムを掘削した際に発生する砂や岩刷りなどの材料に、セメントや水を加えた構造材で作られたダムのことです。
ロックフィムダムとも呼ばれ、土砂や岩石などで作られたダムです。中心部分を水を通しにくい土砂で作ることで水をせき止め、提体部分は岩石部分で作り安定感のあるダムになっています。
アースフィルダムとも呼ばれており、世界最古のダムともいわれています。ゾーン型フィルダムよりも提体が低くて済むのが特徴的。均一型フィルダムは世界の約7割も占めており、ダムの中で特に建築された数が多いダムです。
ダムの表面にアスファルトやコンクリートを流し、水を通さない構造になっているダムのことです。
建設を予定する土地がダム建築に適しているかどうか、岩盤や地質、生物環境などの調査を行います。また調査に準じて、ダムの建設計画を立案し、設計を実施。
ダムの建築予定地付近に資材を置く場所や資材搬入のための道路などを整備します。また河川を迂回させるケースもあり、ダム建築のための準備を実施。
ダムの基礎を築くために、土砂や岩などを除去します。
計画に基づき、コンクリートなどの材料を流しダムを建設していきます。その際にダムの管理を行う事務所や設備なども作るのが一般的です。
建築したダムの強度を確認し、水漏れなどがないかのテストを実施します。このテストにクリアすれば、ダムが完成です。
ダムは私たちの生活や社会において欠かすことができない重要な役割を担っている存在です。そのため土木施工管理技士として、ダム建設工事に携わることは大きな意義・やりがいを感じることができるでしょう。
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