「ハイブリッド」と聞くと、自動車をイメージする方が多い中、近頃では重機にもハイブリッドシステムを採用したタイプが登場しています。このページでは、そんなハイブリッド重機について、おもな特や現場に取り入れることで得られるメリット、低炭素型建設機械認定制度、そして注意点などをまとめました。
土木施工管理技士として現場監督の立場で工事を管理していく際には、こういった土木建設業界のトレンド事情にも明るくなっておくが大切です。
重機が車体を旋回して、スピードを落としていくときに生じるエネルギーを、電気モーターを使って電気エネルギーへと変換するシステムが搭載された重機のことを、ハイブリッド重機とよびます。変換によって得られる電気エネルギーは、キャパシターという蓄電器にたくわえられていきます。
重機がエンジンを加速させるときに、モーターをつうじて補助エネルギーとして使用されるのが、ハイブリッド重機の仕組みです。燃料消費量の削減につなげることができる仕組みとして知られています。
では、なぜハイブリッド重機は燃費消費量を抑えることができるのでしょうか。
ディーゼルエンジンだけを使っている一般的な建機と比較すると、ハイブリッド重機に採用されているハイブリッドシステムは電気エネルギーを補助エネルギーとして活用できるため、低速回転で機械を使えるため、燃費がよくなるわけです。加えて、待機中の状態であっても、超低速回転域におさえられるため、その点でも燃費のよさが際立っています。ハイブリッド専用モニターで確認することが可能です。
上述の繰り返しになりますが、ハイブリッド重機のメリットとしてまずあげられるのは、その燃費のよさだといえます。ハイブリッド重機以外の平均的な重機の燃費よりも25%~40%ほどおさえることが可能であると考えられます。
燃費をおさえられるということはつまり燃料コストの削減につながるわけですから、その分、工事費用を安くすることが可能になるのです。発注者にも利益があることを考えると、とても大きなメリットだといえます。
もうひとつ、CO2削減にも貢献できるとされています。通常では、燃焼1ℓの場合、酸素と結合して生じるCO2はおよそ2.85kgで、その体積は膨張を続け、最後には1,300ℓにまで達すると考えられています。地球環境への配慮が求められる現在において、CO2を軽減できるハイブリッド重機はぜひ導入したいアイテムだといえそうです。
地球温暖化対策の一環として、国土交通省は、建設施工現場での省エネ化や低炭素型社会の構築などを推進しています。たとえば、平成22年度には、ハイブリッド機構や電動機構などの新しいテクノロジーを搭載することで、省エネ化を達成した建機を普及させていくことを目的とした「低炭素型建設機械認定制度」を創設しています。
そして、燃費のよいこれらの建機のさらなる普及のために、低利融資制度等の金融支援措置が設けられました。設けられている5つの条件のうち、いずれかをクリアしていれば、その建機は低炭素型建設機械であると認定されます。詳細については、国土交通省のホームページ『低炭素型建設機械の認定に関する規程』をご参照ください。
上述の条件をクリアしていると考えられるケースであっても、内燃機関が、定格出力19kW以上560kW未満の軽油が燃料として使用されるもので場合は、特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(平成17年法律第51号)に基づく型式で届出されたものに限定されますので、確認が必要です。
また、次の建機については、既定の燃費基準値以下であることも求められます。詳細に関しては、国土交通省のホームページ『低炭素型建設機械の認定に関する規程』にてご確認ください。
◆油圧ショベルのうち、標準バケット山積容量が0.25m3 以上1.70m3未満のもの
◆ブルドーザーのうち、定格出力が19kW以上300kW未満のもの
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