こちらでは、土木工事の作業中止に関して説明しています。悪天候によりやむをえず作業をストップしなくてはならない際の具体的な判断基準や、悪天候が各作業に及ぼす影響、そして作業を再開する場合の注意点などをみていきましょう。さまざまな視点をもって現場監督をおこなわねばならない土木施工管理技士にとって、重要な情報をまとめました。
職場によっては、かなりの悪天候に見舞われている日であっても、通勤しなくてはならない場合があります。土木工事の場合には、たとえば台風や大雨といったコンディションの中強行してしまうと、作業員の命にかかわる可能性もゼロではありません。資材への影響も無視できません。ですから、悪天候の場合には、作業は中止されます。
現場監督をつとめる土木施工管理技士としては、作業を中止にする際、悪天候を定義する具体的な基準を把握しておくことが求められます。労働安全衛生法などによってさだめられている基準は、次のとおりです。
雨で中止になる土木工事作業。具体的には、どのような影響を避けるために中止となるのか、その理由をみていきましょう。
建物の外壁などにタイルを張っていくので、作業は基本的に屋外でおこなわれます。ですから、雨天では作業は困難だといえます。ただ、一部の屋内作業や上に屋根がある場合などは、納期にゆとりがないときには作業をおこなうケースもあります。
鉄筋コンクリートの場合は、壁や柱の部分にコンクリートを流し込むので、型枠が必要です。この型枠の組み立ては現場でおこなわれるため、雨天では作業に支障が出てしまいます。特に、電気工具による感電のリスクがある場合には、作業は中止されます。
建物の外壁や屋上に防水機能をもたせるための工事です。ですから、雨天の中作業を進めることは不可能に近いといえます。
状況次第では雨がふっていても足場解体作業は中止にならない場合もあります。ただ、元請けからの指示によって中止されることはあります。また、とび職のように高所での作業の場合には、特に風が強いときには作業中止の判断がくだされやすいです。
建てる物に応じて土地を掘ったり削ったりする作業のことを、掘削工事と呼びます。これは基礎工事であるため、雨が降っていると地盤がゆるみ、崩れやすくなってしまいます。しかも、水を含んだ土を積んだダンプは、通った道をかなり汚してしまいます。これらの理由により、作業中止となる可能性が高いです。
悪天候による作業中止とひとくちにいっても、特に影響が大きいのは雨だといえます。何日も雨天が続くこともめずらしくなく、土木工事のスケジュールに大幅なおくれが出てしまいかねません。
さまざまな職人たちの都合などを何とか調整できたとしても、天候に恵まれず再開までに時間がかかると、ゆとりをもたせて決めておいたスケジュールが逼迫し、ついには工期に間に合わないといった事態も発生してしまいます。
作業の再開をする際には、いきなり工事の続きにとりかかるのではなく、まずは現場の状況をしっかりと確認することが大切です。一見してわかる破損だけでなく、ボルトのゆるみやさまざまな工具について、細部まで調べることが求められます。通常時よりも念入りに、安全第一の意識をもって点検作業をおこなうようにします。
工事現場において、悪天候は大敵です。天候に恵まれないと、工事の安全性が低下するだけでなく、作業の進捗にも影響が生じてしまいます。日頃からの安全対策と、悪天候による作業中といったイレギュラーな事態への備えも、土木施工管理技士が担っている重要な役割だといえます。
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