電気設備設計とは、建物の中で使用される照明のスイッチやコンセント、発電設備や通信設備、自動火災報知設備など電気設備全般の設計を行う技術者のことです。ここでは、電気設備設計の仕事内容や給料、やりがいなどについて紹介します。
電気設備設計の仕事は、電気設備全般の設計を行うことです。建物の設計図をもとに電気設備に関する配線やレイアウトなどを決め、電気設備設計図を完成させます。取り扱う電気設備は幅広く、スイッチやコンセントに加え、発電設備や通信設備、インターホン、映像音響設備、自動火災報知設備なども対象です。住宅やビル、商業施設など設計を手掛ける建物も多岐にわたります。
電気設備設計は、建築において電気設備がしっかり機能するように設計することが仕事です。図面は施主だけでなく現場で工事をする人に伝えるためのものでもあるため、スムーズに工事できるよう原理や仕組みを理解する必要があります。また電力負荷が低すぎると停電などの事態になり過度だとコストがかかりすぎてしまうため、各建物における電力負荷を想定し、適切な容量の分電盤や受変電設備を計画することも重要な業務です。電気設備設計を行うには、電気に関する高い専門知識が必要となります。
これがないと電気設備設計の仕事ができない…といった資格は特にありません。電気設備設計になるためにはまず電気に関する専門知識を身につける必要があります。そのため、電気や工学系の大学・専門学校に通って必要な知識を身に着けるのが電気設備設計になるためのスタンダードな道といえるでしょう。求人でも、「工学・電気・電子など理系の学科卒業者であること」や「電気設備設計に関連する資格を持っていること」が条件になっているケースは多いです。
必須の資格はありませんが、資格取得によって手掛けられる設備設計の幅は広がります。電気工事士や電気工事施工管理技士、建築士などの資格を取得すれば、より電気設備設計の仕事への理解が深められるでしょう。
電気設備設計の平均年収は、450~550万円ほどとなっています。初任給は、未経験者なら20〜22万円前後が相場でしょう。電気設備設計の給料は、就職先の企業規模や本人の経歴・スキルなどによって大きく異なります。また、建築士や電気工事士の資格を取得すれば、より大きなスケールの仕事をになえるようになって年収アップも期待できます。特に一級建築士は非常に取得するのが難しい資格のため、この資格を持っている電気設備設計者は多くの企業から重宝されるでしょう。
電気設備設計は建物の利用者の暮らしを守り、利便性や安全性に貢献できる仕事です。人々の暮らしから切り離せない分大きな責任を伴う難しい仕事ではありますが、それだけに自分の設計通りにその建物に新たに電気が通った時や灯りが点った時は大きなやりがいや達成感を味わえるでしょう。
電気設備設計の主な就職先には、建設会社や電気設備設計を専門に取り扱う会社などがあります。会社によって業務内容はさまざまで、一般住宅の電気設備設計を担当したり、取引先メーカーの電気設備設計を担当したりすることとなります。業務内容に合わせて求められる知識や業務経験なども変わるため、自身に応募資格があるのかの確認を忘れないようにしましょう。
建物の工事があれば必要になるのが電気設備設計の仕事です。電気が私たちの生活に欠かせない以上電気設備設計の仕事は常にある状況であり、需要は安定している職業といえるでしょう。
電気設備は技術の進歩のスピードが速く、数年前まで一般的であったものがすでに時代遅れなんていうこともよくあります。どんどん新たな技術が開発され、その都度必要な設備は変わっていきます。それを支えるには新しい技術を習得する柔軟さが必要となるでしょう。また建築物省エネ法の改正により住宅・非住宅ともに省エネ性能が厳格化されたため、環境に配慮した設計ができる電気設備設計者の需要が高まっていくことも予想されます。
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