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コンクリートの混和材・混和剤

コンクリートの品質や特性を向上させるために、「混和材」と「混和剤」という材料が使われることがあります。どちらもコンクリートに加える材料ですが、役割や使用方法が異なります。このページでは、土木施工管理技士として知っておくべき「混和材」と「混和剤」の違いについて、詳しく解説します。

混和材と混和剤の違い

「混和材」と「混和剤」は、どちらも「こんわざい」と読み、コンクリートに加える材料を指しますが、その意味は異なります。両者を合わせて「混和材料」と総称することもありますが、具体的な使い方や目的によって分類されます。

簡単に言えば、混和材はコンクリートの構成材料に対して比較的大量に使用される粉体状の材料です。一方、混和剤は少量でコンクリートの性質に影響を与える薬剤系の添加剤です。それぞれの役割を正しく理解することが、コンクリート施工の質を高めるために重要です。

混和材の種類

混和材は、セメント、砂、砂利、水などの基本材料に対して、多量に混入され、コンクリートの特性を改善するために使用されます。混和材の添加によって、コンクリートの強度や耐久性、施工性が向上します。

代表的な混和材の種類としては、以下のようなものがあります。

  • 高炉スラグ微粉末:高炉スラグを細かく粉末化したもので、耐久性や長期強度を向上させる効果があります。特に、耐海水性や化学的耐久性が必要な構造物に使用されます。
  • フライアッシュ:石炭火力発電所で発生する微細な灰で、コンクリートの長期強度や耐久性を向上させる効果があり、初期強度の向上にも寄与します。
  • 膨張材:コンクリートが固まる際に体積が減少する乾燥収縮を補い、ひび割れを防ぐために使用されます。
  • シリカヒューム:非常に細かい粒子で、コンクリートの密度を高めて、耐久性や圧縮強度を大幅に向上させるために使用されます。

これらの混和材は、コンクリートの全体量に対してかなりの量を使うため、コンクリートの設計段階で配合計算に組み込む必要があります。また、適切な混和材を選ぶことは、建設現場で求められる性能や耐久性を満たすために非常に重要です。

混和剤の種類

混和材と異なり、混和剤は少量を添加することでコンクリートの性質を変化させる材料です。主に、コンクリートの施工性を向上させたり、特定の物理的性質を強化する目的で使用されます。混和剤の種類によってコンクリートの流動性や強度、耐久性が調整されます。

代表的な混和剤の種類としては、以下のようなものがあります。

  • AE剤(空気連行剤):コンクリート中に微細な気泡を作り、凍結融解に対する耐久性を向上させる効果があります。また、気泡が潤滑作用を果たし、施工時の作業性(ワーカビリティ)を高めます。
  • 減水剤:コンクリートに含まれる水の量を減らしながら、流動性を保つために使用されます。これにより、強度を高めつつ、施工のしやすさも確保します。
  • AE減水剤:AE剤と減水剤の両方の効果を持つ混和剤で、ワーカビリティを高めつつ、凍結融解に強いコンクリートを作ることができます。
  • 高性能AE減水剤:さらに強力な減水効果を持ち、少量で非常に高い流動性を保つことができるため、高強度コンクリートの施工に使用されます。

混和剤は少量で効果を発揮するため、設計時に必要な量を正確に計算して使用することが求められます。過剰な使用は逆にコンクリートの品質を低下させる可能性があるため、使用する量や種類には注意が必要です。

まとめ

「混和材」と「混和剤」は、どちらもコンクリートの性能を向上させるために使われますが、それぞれの役割や使用方法は異なります。混和材はコンクリートの全体量に対して多量に使用され、性質を改善する役割を果たします。一方、混和剤は少量で大きな効果を発揮し、施工性や強度を高めるために使用されます。

土木施工管理技士として、これらの材料を正しく理解し、適切に使用することは、コンクリート工事の品質を左右する重要なポイントです。各現場で求められる性能に合わせて、適切な混和材や混和剤を選択し、効率的で高品質な施工を実現しましょう。

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