ここでは、造成工事の内容と工法について詳しく解説していきます。
造成工事とは、宅地に家を建てられる状態にする工事のことです。土地が変形している場合は、区画するために造成工事が行われるケースがあります。また、土地に高低差があったり、地盤が軟弱だったりするケースにも造成工事が用いられます。
高低差がある土地では切土や盛土が行われ、土地を平らにならします。あるいは段差をつけて、家が建てられる状態に仕上げていきます。地盤が軟弱である場合には、盛土や力を加えて押し固める転圧を行うことも。目的に合わせて、土地の区画や形を変えます。
造成工事では使用する工法は、大きく分けて4つです。粗造成・砂利造成・防草仕上げ・コンクリート舗装を実施します。
まず、1つ目の粗造成とは、解体後の土地を整地する工法です。重機で木材やガラス片を取り除いて整地した後、土を転圧機で固めていきます。簡易的な造成工事のため、どこまで丁寧に仕上げるかは各業者の裁量に任せられています。
続いて2つ目の砂利造成は、粗造成よりも丁寧に整地する工法です。細かなガラスや石、木くずなどを取り除いて、土地の高さを整えます。土地をならしたあとに転圧し、砂利や砥石を敷き詰めます。
高低差をならしてから砂利を敷き詰めないと、当初の予定よりも砂利が不足、あるいは余る恐れがあるので注意が必要です。
造成工事の3つ目の工法である「防草仕上げ」とは、整地後に雑草が生えるのを防ぐ工法です。雑草を丁寧に抜き取り、防草シートで覆います。
防草シートで覆った後は、土・砂利・コンクリート・人工芝・タイルを敷き詰めることも可能です。処理が甘いと雑草が生えてくるため、丁寧な作業が求められます。
最後に、4つ目のコンクリート舗装ですが、土地の高さを整えてから粒上材料を使用して、路盤を設けます。砥石やクラッシャランを敷いたうえで、プライムコートや路盤紙を用いて、表層にコンクリート版を舗装します。
アスファルト舗装の場合も路盤を設けますが、透水性アスファルト混合物の舗装は、透水性を損ねるのでプライムコートが不要です。代わりに土が路盤に侵入しないように、土と路盤の間にフィルター層を設けるのが一般的でしょう。
一方で透水性ではないアスファルト混合物の舗装は、防水性を高めるためにプライムコートが必要です。
造成工事は、地盤調査から始まります。強度を把握して、造成工事の工法を検討します。続いて整地を行い、土を平らにならして地固めを行います。
転圧機で土に圧力をかける粗造成などを行い、家が建築できる状態へと近づけましょう。宅地に木が生えている場合には、伐採や伐根を行い、障害物がない状態に仕上げていきます。
土をならして伐採した後は、土の高低差をなくします。盛土・切土・土留めを行って、土の高さを道路に合わせていきます。
たとえば、土地に高低差がある場合、コンクリート擁壁やブロックで土留めすると、盛土の崩壊を抑えられるように。敷地ぎりぎりまで平らでなだらかな宅地となり、土地を有効活用できます。
盛土は土を盛って平らにし、切土は土を削って平坦な地表をつくります。発生した不要な土を処分したら造成工事は完了です。
簡単な造成工事であれば、1週間程度で工事は完了します。大規模な造成工事になる場合は、1カ月以上の工期が発生するケースも。天候によっても工期は延びる可能性があります。
造成工事は、家の仕上がりを左右する大切な工事です。土留めをすれば土を広々と使用できるケースもあるため、土地の活用の幅を広げる役目を担います。
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