環境計量士は、計量証明書の作成ができる国家資格です。濃度と騒音・振動の計量・分析も行います。ここでは、環境計量士の仕事内容・なり方・給料・将来性などをまとめました。
環境計量士は、国家資格です。根拠となる法律は、計量法。大気や水質の「濃度」と「騒音・振動」について、計量と環境分析を行います。その後、「計量証明書」を作成するまでが業務です。計量証明書は、調査結果を公的に証明できる書類で、環境計量士の有資格者にしか作成できません。
世界的に環境問題に関心が高まっている中で、国独自の規制基準も年々強化されています。そうした基準値をクリアしているかなどの調査をするのが環境計量士の仕事です。
工場から排出される排水や煤煙、有害物質などの濃度計測、建設現場での音や揺れの大きさ計測などを行います。業務内容は、濃度関係と騒音・振動関係の2種類に分かれており、資格も同様に分かれているのが特徴です。
環境分析の専門家として、社会環境を守る役目を担っています。
環境計量士は国家資格のため、資格取得が前提です。資格取得の方法は2つ。経済産業省による国家資格を受験する方法と、指定機関の教習課程を修了し、2年間の実務経験を積んで、計量行政審議会で認定を受けて登録する方法です。
学歴は問われませんが、難易度の高い試験のため、比較的学力が高い人が目指す資格です。化学の基礎知識が必要なため、理系大学院出身者もいます。
新卒では、民間の環境調査や分析会社で働きながら、実務経験を積み、国家資格取得を目指す人が少なくありません。
勤務先によって差がありますが、およそ年収300~500万円です。キャリアによって収入が上がります。専門性を高めることが昇給の近道と言えるでしょう。
環境計量士としての業務ではなく、単に環境分析だけを行う場合は、資格は必要ありません。そのため、会社によっては、環境計量士の資格を持っていると、月2~3万円の資格手当がもらえることもあります。
環境計量士の資格保持者や環境分析業務経験者は、転職する際、優遇されやすいです。経験を積んだ後は、より待遇がいい会社へ転職するのも収入アップのひとつの手段と言えるでしょう。
環境計量士は、自然と人間の営みが共存するために必要な仕事です。自然を守るだけではなく、有害物質から人の健康を守るための仕事でもあります。その社会的意義の大きさは、環境計量士のやりたいに直結するでしょう。
世界規模で環境への関心が高まっている中、企業も環境問題への取り組みに力を入れています。「環境を保護しなければいけない」と言っても、具体的な数値分析ができなければ何もできないことから、計量・分析ができる専門家の存在は、企業にとっても心強いパートナーです。専門性を高め、頼られるほど、仕事へのやりがいが感じられる仕事でしょう。
こうした社会の流れから、環境分野が成長産業のひとつになっています。今後も安定してキャリアを積んでいける点も魅力です。
環境計量士の就職先は、民間の環境調査・分析会社がメインです。また、一般財団法人環境分析センターや環境コンサルティング会社でも就職できます。
ニーズとしては、ビルやマンションの建設時に行う騒音調査や水質調査や土壌調査などです。一般的には環境調査・分析会社に依頼が来て、依頼に基づき調査を実施することになります。
環境コンサルティング会社で、調査・分析と同時に改善提案まで行うケースも。環境コンサルタントとして活動したい場合は、こうした会社に就職するといいでしょう。
環境問題に対する関心が高まっているため、環境分析は企業活動に必須となっています。基準も年々厳しくなっていることから、今後も安定してニーズがあるでしょう。
特に環境計量士は国家資格のため、分析だけではなく証明書の発行まで行えます。有資格者は優先的に採用される傾向があり、専門性を高めることでより難しい仕事を任せられるかもしれません。活躍フィールドは、拡大することが見込まれています。
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