こちらでは、土地区画整理工事について紹介しています。土地区画整理工事の目的や具体的な施工内容、工事のおおまかな流れ、工事をするとによって地域に与えられるメリットなどについてまとめました。土地区画整理工事に関する理解を深めるために、ぜひ参考にしてみてください。
土地区画整理事業を進めるために必要な土木工事のことを土地区画整理工事といいます。都市計画をもとに、地域の人々がより安全に、機能的な街で暮らしていけるようにすることが、この工事の目的です。建築物の移転や公共工事の工事、そして宅地造成工事などがおこなわれます。
事業を進めるためには、従前の宅地にある建築物・工作物などを指定された仮換地へ移転させる必要があります。移転に際しては、換地先の造成やインフラ工事(電気・ガス・水路・道路など)が同時進行で実施されなくてはなりません。
また、移転がスムーズに実施されるようにするには、移転計画の作成が必要不可欠です。移転の対象となる物件の規模や構造、そして所有者はさまざまですので、簡単な作業ではありません。まずは、所有者の了承を得るところからのスタートになります。そして、対象の建築物などを現地で調査し、移転順位や移転工法をじっくり検討することになります。移転補償金についての算定もおこないます。
道路の整備工事などをおこなう際には、交通への対処を工夫する必要があります。その場合、地区内外を結ぶ車・歩行者の動線を遮断することのないよう注意しなくてはなりません。交通への対処を誤ると、地区内はもちろんのことその周辺エリアへも支障をおよぼしてしまう可能性があるため、慎重さが求められます。
宅地の位置・環境・形状といった平面的な改善だけでなく、整地などの立体的な造成工事もあわせて実施することで、宅地の利用価値を高めることが可能になります。地権者の期待にこたえるためには、換地の利用状件が、それまでのものよりもはるかに優れている宅地に造成されるよう努めなくてならないわけです。
土地区画整理事業の実施が決定し、おおまかな方向性などが定まったら、より詳細な内容を決定していきます。着工や完成のスケジュールを含め、区画や道路、公園などの位置も決定していきます。
新区画、つまり換地の予定地を、工事がスタートする前に指定する手続きをふむ必要があります。原則として、いったん仮換の地指定がおこなわれると、従前地を使うことはできなくなります。
工事が完了し、新区画や道路、公園などが整備されたら、換地処分という手続きをふむことになります。この手続きが済めば、土地区画整理事業は終了です。
土地がきれいに整地されるため、となりとの境界もクリアになります。使い勝手がよくなるため、地価の上昇なども期待できる状態になるでしょう。
かつては人や馬の通行を考慮して道をつくっていたため、現在の状況にはそぐわない道路があります。土地区画整理工事によって土地の形状が整うので、安全性などの改善にもつながります。
土地を公道に面するように整えることができるので、建築基準法上、すまいなどを立て直すことが可能になります。現在のように、建築確認申請が要らない範囲でなんとかリフォームをおこなうしかない、といったような問題が解消されます。
公園などを含む公共施設が増えるのも、土地区画整理工事が持つ大きなメリットだといえます。公共施設が増えれば住民同士の交流が活発になるなど、地域環境の向上につながると予想されます。
土地区画整理工事を進めるにはさまざまな手続が必要ですし、また、施工のプロセスも一般的な土木・建設工事と比較すると複雑なところがある工事だといえます。けれども、人々の暮らしにさまざまなメリットを与えられる工事ですから、土木施工管理技士として携わっていくことで、大きなやりがいを感じられるはずです。
本サイトの監修・取材協力企業
株式会社ティーネットジャパンとは
発注者支援業務において
日本を代表する企業
株式会社ティーネットジャパンは、公共事業の計画・発注をサポートする「発注者支援業務」において日本を代表する建設コンサルタントです。
建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで22年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2024年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2024」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。