パイルドライバーとは、ビルや道路、橋梁など大型構造物を支えるための基礎杭を地中に施工する建設工事専用車です。杭打機のひとつで、基礎杭を打撃や振動などによって地中に打ち込みます。
ただし、車と言っても公道を走ることができません。そのためトラックに積んで工事現場まで運び、作業を行います。
パイルドライバーは、建設工事の中でも基礎工事の際に活躍します。道路やビル、工場などの大型な建造物の基礎部分と、構造物を十分に安全に支持する能力があって沈下に対しても安全である「支持層」と呼ばれる地層をつなぐ役割をしていて、建物や橋脚の基礎部分を施工する作業で用いられます。
大型構造物の支持層は、地中深くにあるため重機でないと作業ができません。杭打工事で地盤を安定させることで地震に耐え得る強い建物を築くことができるのです。そのほかにも地盤の改良など幅広い用途で活用され、インフラ整備にも欠かすことができません。
埋め込み方式には、地盤の支持層の手前まで穴を掘ってその中に杭を打設する「プレボーリング工法」があります。支持層手前まで掘ることで、打ち込み工法より打撃回数や騒音・振動を減らすことが可能です。
また、杭の先端から高圧水を噴射して地盤を緩めながら杭打ちを行う「ジェット工法」や、杭の先端に刃があってその杭を回転させて打ち込む「回転杭工法」もあります。
打ち込み方式は、ハンマーの強い打撃力を活かして杭を打ち込むもので、代表的なものには「ドロップハンマー方式」や「ディーゼルハンマー方式」などがあります。
打撃力を利用するため、施工の作業速度が速いのが特徴です。また、上下に振動を与えることで地盤を緩くして打設する方法もあります。
圧入方式とは、既製杭を地中の所定の深度まで油圧ジャッキや多滑車などを用いた静荷重によって貫入し、設置する既製杭設置方法のひとつです。油圧の力を反力として地中に杭を打ち込み、引き抜く際に発生した抵抗力を反力として利用することで、連続して杭を打ち込むことができます。
他の工法に比べると振動や騒音が少なく、発生する汚泥の量も比較的軽減できるという特徴があります。
アースオーガを使い、アースドリルで地中深くまで掘り進めながら杭の穴が崩れないよう粘りのあるセメント液を流し込みます。アースオーガはクレーン機能もあるため、1台で杭打ちを完了させることが可能です。複数の重機が入ることができない狭い現場などに向いているでしょう。
パイルドライバーをはじめとした車両系建設機械の資格は、機体重量が3トンを超えるか超えないかによって2種類に分かれます。
さらに使用する重機と作業内容によって、資格は「整地・運搬・積込用及び掘削用」「解体用」「基礎工事用」の3種類に分かれます。パイルドライバーの場合は「基礎工事用」です。
建機の教習所での取得に必要な講習期間は2~6日程度ですが、現在持っている資格や実務経験によって実際に必要な講習時間は異なります。講習は学科と実技があり、当然初心者は講習時間が長くなります。自身に必要な講習内容や期間を事前にしっかりチェックしておくようにしましょう。
パイルドライバーにはさまざまな種類があり、それぞれの特徴が異なります。重機の特徴をしっかり把握しておくことで、土木施工管理技士として施工や管理の仕事により取り組みやすくなるでしょう。
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