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杭打ち工事

ここでは、杭打ち工事の作業内容と工法について紹介しています。

杭打ち工事とは?

杭打ち工事とは、重量のある構造物の崩壊を防ぐために、建築予定地にあらかじめ杭を打つ工事のことです。直接基礎を設けても重量に耐えられる地盤であれば必要ないですが、日本国内には柔らかくて重量に耐えられない地盤も多く存在します。

柔らかい地盤の場合は、地表から深いところにある固い地盤まで杭を打ち、構造物を支えられる土台をつくります。日本は河川下流に主要都市があり、沖積層と呼ばれる比較的新しい地層からできています。水分を含んだ軟弱な地盤が多いので、杭打ち工事が必要となる可能性が高いでしょう。

杭打ち工事で使用する工法

杭打ち工事は、大きく分けて2つの工法があります。場所杭打ち工法と既製杭工法です。まず場所打ち工法とは、全周回転掘削機で鋼管を圧入しながら掘削する工法です。できた孔に鉄筋かごを建て込んだ後、コンクリートを流し込んで杭を形成します。

一方で、既製杭工法とは、既成の杭を沈設していく工法です。既製杭工法の場合は杭の自重を使って掘削、または孔に埋入する方法なので、大きな支持力がない現場で用いられます。

固い地盤まで深さがある場合は「場所杭打ち工法」が利用され、20m程度の掘削で住む場合には「既製杭工法」が採用されるケースが多いでしょう。

さらに分類すると…

上記では杭打ち工事の工法を大まかに2つに分けましたが、場所杭打ち工法と既製杭工法はさらに3つの工法に分類できます。

場所杭打ち工法は、オールケーシング工法・リバース工法・アースドリル工法と3つの工法に分類されます。一方で既成打工法も、打込み杭工法・埋込み工法・回転抗工法の3つに分類が可能です。

場所杭打ち工法を詳しく解説

場所打ち工法の一つであるオールケーシング工法とは、ケーシングチューブを圧入するので、土で孔が崩壊する心配がない工法です。杭断面形状を確保しやすく、ほとんどの土質に施工できますが、厚い砂層では引き抜きが困難になります。

続いてリバース工法では、スタンドパイプを建込んで、孔内を水で満たして崩壊を防ぎながら土砂と水を排出する工法です。狭い場所での施工が可能ですが、ドリルパイプを通らない玉石層の施工は困難を極めます。

最後に、アースドリル工法は、ドリリングバケットを回転して掘削する工法です。地下水がある地層の施工は不向きですが、施工が速いため、高層ビルなどの杭打ち工事で使用されています。

既成打工法を詳しく解説

既成打工法の一つである打込み杭工法とは、既成抗をハンマーで打撃して沈設する工法です。一方で埋込み工法は、地盤を掘削した後、既成杭を建込み、挿入していきます。

最後に、回転抗工法では、三点式杭打機(パイルドライバ)などに駆動装置を取り付けて、地中に直接杭を圧入します。打込み杭工法は打撃音が大きいため、周辺住民への影響を考えて、近年では採用されなくなってきています。

杭打ち工事の流れ

杭打ち工事は、どの工法を採用するかによって流れや手順は異なります。たとえば、既成杭のPHC杭を打つ場合は、敷地内を整地した後、地盤改良を行い、仮設水道を引き込みます。その後、遣り方・位置出しをして、敷地の境界ポイントを見極めて杭を打つ場所を確定。

杭打ち機を搬入して地盤を掘削し、根固め液と杭周固定液を注入したら、いよいよ杭を建て込みます。杭残土を搬出し杭打ち機の解体、杭頭を補強して作業は完了です。

杭打ち工事の作業期間

杭打ち工事は、既製杭を使用するかどうかで作業期間が異なります。中規模なマンションの抗打ち工事であれば、1週間程度で完了します。固い地盤まで深さがある場合や、杭の本数が多い場合は作業期間を要するでしょう。

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