ロードローラーのひとつで、タンデムロードローラーと呼ばれることもある建設機械です。ここでは、タンデムローラーの役割や駆動形式および動力伝達方式、ロードローラーの種類、そしてタンデムローラーの使用に必要な資格などについて解説しています。
「タンデム式ロードローラー」を略して、おもに「タンデムローラー」と呼ばれている建設機械です。搭載されている巨大なローラーで、道路を舗装する作業をおこなうために使用されます。アスファルト表層に対して前輪と後輪とで振動を与え、締め固めていくのが、タンデムローラーによる舗装方法です。
ちなみに、ロードローラーとは本来、砕石や砂などが敷き詰められた下層地盤を転圧するための作業に使用される重機です。けれども、ロードローラーのひとつであるこのタンデムローラーは、上述のとおり、おもにアスファルトの地面ならしをおもな用途としています。
マカダム式やタンデム式など、複数の種類があるロードローラー。駆動形式には両輪のものもあれば片輪のみのものもあります。そして、タンデムローラーの場合は、両輪・片輪、いずれのタイプもあります。
また、動力伝達形式についてですが、これも、タンデムローラーは機械式・油圧式、いずれのタイプもあります。ちなみに、油圧式とは鉱物油をエネルギー伝達媒介とする油圧システムが採用されている動力伝達方式のことです。
ロードローラーには、さまざまな種類があります。舗装用途にあわせて、適した特徴や機能をもつロードローラーを選ぶ必要があります。
マカダム式ローラーと呼ばれることもあります。前輪と後輪が、どちらも巨大な鉄車輪になっているローラーです。三輪車のような形が特徴的な車両。鉄車輪自体の重みだけでも6トンから16トンもありますが、さらに水などを追加して、重量をアップさせることも可能です。
前輪と後輪に、いずれもゴム製の空気入りタイヤが設置されているローラーです。一般的には、前輪が3輪、そして後輪が4輪という構造になっています。アスファルト舗装における仕上げプロセスでよく使われます。
マカダムローラーと同様、水や鉄を加えてさら重量を増やすことが可能です。タイやローラーには、小回りが利きやすいこと、そして転圧作業のときに生じる騒音をおさえやすいというメリットがあります。
前輪後輪のどちらか、あるいは両輪ともに振動するローラーのことです。振動を活かして、ローラー自体の重さの3倍から4倍の重さで地面の締固めをおこなうことができるのが特徴です。ちなみに、上述のマカダムローラーやタイやローラーにも、同じ原理を利用して力を加えられる機種があります。
コンバインという名称があらわすとおり、鉄車輪とゴム製タイヤとを組み合わさっているタイプです。鉄車輪とゴム製タイヤがもつ特徴を兼ね備えているため、舗装作業におおけるさまざまなプロセスで活躍するローラーです。
ブルドーザーやクレーンなどの特殊大型車両を公道で走らせる場合と同様に、タンデムローラーを運転するためには、大型特殊免許を取得していなくてはなりません。ここで注意しておきたいのは、大型特殊免許をもっているだけでは、土木・建設現場などでの作業をおこなうことはできない、という点です。
タンデムローラーで作業をするためには、締固め用機械(ローラー)の運転特別教育の受講が必須条件となっています。それを終了すれば、締固め用機械運転者の資格を得られるので、タンデムローラーを使った土木工事を実施することが許可されます。
多種多様な形態があるタンデムローラー。なめらかな整地に欠かせない重機で、他と比べてメンテナンスがしやすいのが特徴です。振動モーターや振動ゴムの亀裂には特に注意を払ってください。
土木施工管理技士として、工事をスムーズに進め、かつ、現場の安全をまもっていくためにも、重機についての知識を身に付けておくことは重要です。こちらで紹介したことを、土木工事への理解を深めるためのヒントにしていただければ幸いです。
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