工期・コスト・品質に大きく関わる、土木施工管理の花形業務
工程管理とは、工事全体の進行ペースや作業手順をあらかじめ決めておき、その通りに進行しているか確認する仕事です。単純な日程の管理だけでなく、効率の良い作業で工事品質やコストも管理できるように気を配る必要があります。
工程管理が悪く、作業の待ち時間が発生してしまうと工期が伸び、コストも増加してしまいます。また、天候不良などの不可抗力的な要因も考慮しなければなりません。
事故が発生しないように、安全に配慮して工程を組む必要もあります。工程の遅れが生じたら、原因を究明し、遅延対策を行わなければなりません。
作業効率低下の要因を排除し、常に効率よく、品質の高い工事がおこなえるように気を配るのが工程管理の仕事です。
工事現場で使用する工程表にはいくつかの種類があり、それぞれ適した使い方があります。各工程表の特徴、どのように使えばよいのかについて一つずつ見ていきましょう。
横線式工程表は分かりやすく言うと横棒グラフ方式の工程表です。細かく分けるとガントチャート工程表、バーチャート工程表の二つに分かれます。
ガントチャート工程表は縦軸に作業名、横軸に作業の達成度をパーセンテージで表示します。細かい日数などは表記できず、各作業の関連性も分からないので全体の進行度を視覚的に把握するのに使用します。
バーチャート工程表は最も多く使われる方式で、ガントチャートの達成度を工期に変更して作業日数も表示します。各工程のおおよその関連性や順番を把握することができます。
曲線式工程表は折れ線グラフ方式で表され、斜線式工程表とグラフ式工程表の二つがあります。
斜線式工程表は縦軸に工期、横軸に進捗状況を表示します。道路やトンネルなどの直線的な工事の進み具合を表すのに適しています。
グラフ式工程表は縦軸に完成率、横軸に工期を表示します。作業が1つずつ順番に進行していく工事の進捗を確認するのに向いています。
ネットワーク式工程表は、作業の開始と終わりを線で結び、作業名と作業日数を記入して表します。各作業の関連性を視覚的に表すことができ、工程が複雑な工事の進捗を確認しやすいのが特徴です。
ただし、複雑なため作成に手間がかかるのが難点です。
工程表は工事を円滑に進めるために必要不可欠となり、とても重要な物です。工程表の出来が悪いと現場の進行が乱れるだけでなく、無理な進行によって品質の低下や事故の発生を招く可能性も。
工程表を作成する際は、各工程との関連性を鑑み、余裕日数を組み込むことが重要です。余裕のない工程では焦りからミスを誘発する可能性がありますが、余裕があり過ぎても全体の後期が伸びてしまいますので、どれくらいの余裕を持たせるかというのは難しいところです。最初のうちは先輩などに相談しながら、経験を積めば適切な時間配分が分かるようになるでしょう。
また、現場を進めていく中で、作業がストップしてしまう事態なども考慮しなければなりません。例えば台風などの天災で流通がストップし、材料の搬入が遅れるといったケースです。材料を待っている間、工事がストップしてしまうと工期が大幅に伸びてしまいます。このようなケースも考慮し、並列で進められる作業も用意して工程を組むことも大切です。
計画通りに工程が収まることはなかなかありません。 常に先読みし、工程に影響を与えそうな因子を排除していく努力が必要となります。
しかし現場は生きています。生きているからこそ常に状況が変わります。変化に追従した対応が管理者にとって大きな仕事になりますが、ここは経験がものをいう世界です。経験を積み、臨機の対応を身につけていきます。
工期の遅延を軌道に戻せたときには安堵と同時に達成感も味わえます。現場を率いる管理者としての醍醐味です。はじめは諸先輩のやりかたをじっくり見て学ぶことがよいと思います。
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