こちらでは、土木工事で使用する重機のひとつであるダンプカーについて解説しています。ダンプカーの役割やおもな活躍場所、種類、そして運転似必要な免許などについても記載しています。
油圧ポンプによって荷台を傾けることができるトラックのことをダンプカーといいます。「ダンプ」には、英語で「物をドサッと落とす」という意味があり、ダンプカーに積まれている土砂などをドサッと落としているように見えることが、この名称の由来となっています。
ダンプカーには、さまざまなサイズのものがあり、小さいものだと軽自動車のサイズになります。また、大型のものについては、積載できる土砂・砂利の上限は11トンまであります。公道を走行するので、道路交通法で上限が定められており、過積載の場合はドライバーと事業主の両方が罰則を受けることにもなるため、注意が必要です。
土砂の上げ下ろし作業をしたり運搬したりする重機として、おもに建設現場などで活躍します。また、雪が降る地域でも活躍します。土砂だけでなく、雪の上げ下ろし作業および運搬にも使用できるからです。
ダンプカーのうち、スタンダードなタイプとしてあげられるのがこちらです。建設現場などでしばしば目にするダンプトラックの大半は、この土砂ダンプトラックであるといってもよいでしょう。土砂および産業廃棄物の運搬がおもな用途です。
「深ダンプ」と呼ばれることもあるダンプカーです。上述の土砂ダンプトラックとは異なり、このダンプカーで土砂のような重量物を運搬することはできません。比較的軽量な物の運搬に使用されます。具体的には、ペットボトルや産業廃棄物・粗大ごみ・飼料・肥料・チップ・石灰など。また、土砂ダンプトラックよりもあおりが深く設計されています。そのため、大きな積載容量にも対応しています。
あおりが、荷台とフラットになるように設計されているのが特徴です。一般的なダンプカーは、開くときにあおり上部の先端ちかくが支点になっています。土砂などを積んでいる場合はそれでもよいのですが、大きな物を積んでいる場合、おろす時にその部分が引っかかってしまうという問題があります。その問題を解消するために、特別に設計されているダンプカーです。
スライドダンプと呼ばれることもあるローダーダンプは、荷台部分をスライドさせるセーフティ機能が備わっています。そのため、高さ制限が設けられているところであっても、この機能を使用すれば問題ありません。また、このダンプカーは、土砂などを運搬する役割だけでなく、フォークリフトや小型のパワーショベル、農機などを運搬する役割も担っているため、とても便利です。
普通車よりも車両総重量が大きいので、ダンプカーを運転するには、その重量に応じた運転免許が必要です。たとえば、車両総重量7,500kg以上・最大積載量4,500kg以上かつ6,500kg以下の車両を運転するには、中型免許を取得することになります。また、10トンを超える車両であれば、大型免許の取得が必要です。
参照元:(pdf)公益社団法人 全日本トラック協会(https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/poster.pdf)
多くの貨物トラックにはバックモニターが装備されていますが、ダンプカーにバックモニターを装備することは不可能です。ダンプカーの場合、装備すべき後部部分を運搬物の搬出用に使用する必要があり、バックモニターをつけないことが多く、運転席からの後部部分の確認ができません。そのため、ダンプカーを移動させるときは目視とサイドミラーに頼る必要があり、距離感がつかみにくいといった難しさがあります。
このような運転の難しさがあるダンプカーですが、土木・建設現場で大いに活躍する建機であるため、使用を避けるのは難しいでしょう。現場監督という役割も担う土木施工管理技士としては、ダンプカーに関する知識を身に付けたうえで、現場の安全を確認することが求められます。
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