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地盤改良工事

このページでは、地盤改良工事について解説しています。よく使用される工法や工事における注意点、そして地盤改良工事を実施することで得られるメリット・注意すべきデメリットなどをみていきましょう。

地盤改良工事とは?

地面は、一見したところでは安定しているように見えても、実際には充分な硬さがなかったり内部に空洞があったりなど、さまざまな問題をかかえている場合があります。そういった地面の上に建築工事をおこなってしまうと、建物が傾いてしまう可能性もゼロではありません。ですから、充分な硬さのない地面には、地盤を強くする工事をおこないます。その工事のことを地盤改良工事といいます。

また、ひとくちに建物といっても、たとえば、木造建築とコンクリート造とでは地面にかかる負担の大きさが異なります。ですから、建築予定の建物に合う、適切な地盤改良のための工法を採用することが大切です。

地盤改良工事で使用する工法

地盤改良工事でよく採用される工法として、次のようなものがあげられます。

表層改良工法

地表のまわりを、セメントを使って固める地盤改良工事のことを、表層改良工法といいます。地表からの深さがそれほどない場合に適した工法です。軟弱地盤部分を掘削したら、セメント系固化材を土に混ぜ、締め固めをおこないます。

柱状改良工法

軟弱地盤の深さが2m~8mである場合に適した工法です。円柱状に地盤を固めた「改良杭」で建築物を支えられるようにします。施工手順についてですが、最初に直径約60cmの穴をあけ、そこから安定している部分まで掘削していきます。次に、掘削の途中で、水を混ぜたセメントを注入し、それを土と混ぜ合わせ、充分な硬さのある円柱状の改良杭をつくります。

参照元:スマ研
(https://www.j-shield.co.jp/sumaken/request-ground-improvement-work/)

小口径鋼管杭工法

鋼管の杭を打って、地中から建築物を支えられるようにするためにおこなわれる工事です。地中30mまでの地盤を改良するときに採用される工法です。工期は1~2日程度です。

参照元:スマ研
(https://www.j-shield.co.jp/sumaken/request-ground-improvement-work/)

地盤改良工事の注意点

上述の工法をおこなう場合には、それぞれ次のような注意点をふまえておく必要があります。

表層改良工法

勾配のきつい土地だと、表層改良工法は実施するのが困難なケースもあります。また、地下水位が地盤改良面よりも高いと、工事をおこなうことはできません。

柱状改良工法

有機質土など、一部の地盤では、この工法は不向きです。というのは、セメントの固形不良が起こるリスクがあるからです。

また、柱状改良工法をおこなった地盤は、原状復帰が容易ではないということを把握しておくことが大切です。改良体を撤去するのにたくさんのコストが必要になるのです。そのため、いつか土地を売りたいと考えている場合は、土地の値段がさがってしまうのを避けるためにも、この工法はおすすめできません。

小口径鋼管杭工法

環境負荷の大きさやコスト、杭の抜け上がりなどのリスクがあります。

まず、環境負荷について。ケースバイケースではありますが、工事の振動や騒音が大きくなってしまうことがあります。また、柱状改良工法と同条件で施工するとしたら、コストは小口径鋼管杭工法のほうが高くなる場合が多いです。そして、杭の抜け上がりですが、これは、圧密沈下が大きい現場においては、周囲の地盤が下がりやすくなるため、発生する可能性のあるリスクだといえます。

地盤改良工事のメリットとデメリット

地盤改良工事によって得られるメリット

まさに地盤改良工事の目的そのものだといえますが、建築物を支える支持する地盤の強度が増すことがメリットです。その結果、建築物をしっかりと支持することができるようになるだけでなく、耐震性を高めたり地盤沈下・液状化現象の防止にもつながります。

おさえておきたいデメリット

実施した地盤工事の種類によっては土地の価値を高められますが、地盤内に埋設物があるという理由で土地の価値が下がってしまうケースもあるので、注意が必要です。また、セメント系の固化材を使用する工法においては、有害物質として知られている六価クロムの発生リスクについて把握しておくことが大切です。

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