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水中溶接工

水中溶接工とは、文字通り水中で溶接作業を行うプロフェッショナルです。このページでは、土木施工管理技士として知っておくべき水中溶接工や水中溶接について解説していますので、土木工事の基礎知識を深める参考にしてください。

水中溶接とは

水中溶接とは、まさしく「水中で溶接を行う作業」を意味しており、具体的には河川や海などの現場において水に潜って行う溶接作業です。

一般的な溶接作業の場合、工場や工事現場で防護服を着た作業員が溶接棒を用いて、鉄骨や鉄板などをバーナーや電気の力で溶接していくことがイメージされるでしょう。一方、水中溶接はそれを水の中で行うため、当然ながら地上での溶接とは異なり様々な制約を受けながら作業しなければなりません。

水中溶接は水場や水上に建造物を建てる上で重要な仕事であり、通常の溶接工と比べて高い技術を求められると同時に、収入面でも高額になることが通常です。

水中溶接の危険性

大前提として、水中溶接は文字通り水の中に潜って行う作業です。つまり作業では常に水に溺れたり窒息したりするリスクがあり、また地上での作業と比較して動きづらさなど行動にも大きな制限があります。

加えて水中溶接では常に周囲に水が存在し、溶接する部分の温度が一気に下がりやすくなることも課題です。そのため、適切な溶接品質を維持するためには相応の技術と作業時間が必要になり、現場の状況に合わせてリアルタイムで的確な判断を下しながら作業工程をコントロールしなければなりません。

また水中の深い場所へ潜るほどに気圧差が生じて、高気圧障害に陥るリスクもあります。さらに水中溶接では放電現象を利用するアーク溶接が基本ですが、電流を使用することで感電リスクがあることも重要です。

水中溶接の工法の種類

水中溶接には複数の種類があり、作業環境や溶接箇所が水に接触しているかどうかなどによって工法が分類されています。ここでは水中溶接として一般的に用いられている工法を紹介します。

湿式水中溶接

湿式水中溶接は、溶接する部分が水に触れている状態で行われる水中溶接です。イメージとしては水中溶接工が水の中に潜り、そのまま水中に露出している鉄骨部分などを溶接する方法です。

湿式水中溶接は海や河川、プールなどで、水中の構造物が劣化したり破損したりした際の緊急対応として行われることが一般的です。しかし、水が濁っている場合は作業視野が狭くなり、安全な作業が困難になります。また、周囲に浮かぶ汚泥などによって溶接が妨げられることもあります。

乾式水中溶接

乾式水中溶接は、水中での溶接作業ですが、溶接するポイントが水に触れないように処置を施してから行う作業です。例えば、溶接するポイントの周囲に人工的な水流を発生させて水のカーテンを作り、溶接局部を空洞化させて水が触れていない状態で溶接する工法を指します。

乾式水中溶接では、溶接作業そのものは地上での溶接と同じ状態で行えるため、溶接の品質を向上させやすい点がメリットです。乾式水中溶接では溶接ポイントの防水状態を確保する方法に複数の種類があり、その方法によってハイドロボックス方式や水カーテン方式、ワイヤブラシ方式といった分類があります。

水中溶接工になるには

水中溶接工として働くためには、複数の資格を取得していなければなりません。水中溶接工の資格としては、アーク溶接に関する資格や水中での作業に関する資格があり、その両方を取得して初めて「潜水溶接技師」になれます。

アーク溶接作業者

水中溶接工が使用する溶接はアーク溶接です。溶接には様々な技法がありますが、水中溶接は作業環境が水中であるため、基本的に放電現象(アーク放電)を利用したアーク溶接が採用されます。

アーク溶接は労働安全衛生法や労働安全衛生規則によって定められている「危険または有害な業務」であり、作業に従事するためには「アーク溶接等の業務に係る特別教育(アーク溶接等特別教育)」を受講して修了証を取得しなければなりません。

潜水士

酸素ボンベなどの潜水具を装備して水中作業に従事する水中溶接工は、アーク溶接作業者に加えて「潜水士」の資格を有していることも前提です。

潜水士は国家資格であり、資格を持っていない人は潜水具を装備して水中に潜り作業を行うことはできません。

潜水士の受験資格は満18歳以上で、学歴や経験は問われません。学科試験のみの受験となるため、誰でも受験しやすいのが特徴です。ただし、潜水士は水中作業に関する国家資格であり、レジャー目的でのダイビングとは異なる扱いである点を覚えておきましょう。

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