土地改良換地士は、農業用地の整備や換地計画の策定において専門家として助言を行う資格です。こちらでは「土地改良換地士」の概要や試験内容、難易度や合格率について紹介します。
土地改良換地士は農林水産省が管轄する国家資格です。この資格を持っていると、農地の保全や農業構造の改良といった農用地集団化事業で専門家として活躍できます。また、農業用地の整備工事や換地計画策定のコンサルタントとしても参加できるため、土木施工管理系企業、建設会社、地方公共団体への転職時にも大きな強みとなります。
うれしいことに、この資格は特別な受験資格が設けられていないため、誰でもチャレンジできます。建築関係の専門性を高めたい方や、キャリアアップを目指す方にぴったりの資格といえるでしょう。
試験は農林水産省農村振興局整備部土地改良企画課換地係が主催しており、知識試験と実務試験の2つがあります。受験資格に制限はありませんが、合格にはしっかりとした専門知識が必要になります。試験では主に農用地の集団化事業に関する知識が問われ、知識試験は選択式、実務試験は記述式で行われます。
試験は年1回、例年10月中旬~11月中旬の日曜日に行われます。知識試験(2時間30分)と実務試験(3時間)は同じ日に実施されます。また、一定の条件を満たす方は実務試験が免除されることもありますので、該当する方は確認してみましょう。
令和6年度の試験スケジュールは以下のとおりです。
知識試験は選択式で、次のような内容が出題されます。
試験範囲は広いですが、選択式なので、空白をつくらず確実に解答することを心がけましょう。前回の試験で知識試験の合格基準を満たした方は、この部分が免除されるというメリットもあります。
実務試験は知識試験よりも難しく、記述式となっています。試験では資料が提供され、それを参照しながら実務で想定される書類作成などを行います。暗記だけでなく実践的な対応力が問われるため、過去問を解きながら時間配分も含めて練習しておくことをおすすめします。
なお、換地処分に関して10年以上の実務経験をお持ちの方は、実務試験が免除されます。
合格するためには、知識試験と実務試験の各科目(全部で4科目)で60%以上の得点が必要です。令和5年度の試験では、出願者261名、受験者241名のうち、合格者は55名で、合格率は約22.8%でした。
土地改良換地士の試験は年1回しか実施されず、合格率も約2割と決して簡単な試験ではありません。しかし、効果的な対策を立てることで合格への道は開かれています。
まずは基本的な教材として、土地改良法に関する専門書や土地改良事業についての解説書、資料などをしっかりと読み込むことが大切です。これらの教材で基礎知識を固めることで、試験での応用問題にも対応できる力が身についていきます。
基礎固めができたら、農林水産省の公式サイトで公開されている過去問と解答例を活用した実践的な学習に移りましょう。実際の試験と同じ時間配分で問題を解く練習を重ねることで、本番での時間管理もスムーズになります。特に実務試験は記述式のため、制限時間内に的確な解答を作成する練習が重要です。
なお、土地改良法などの関連法令は定期的に改定されることがありますので、必ず最新の情報をチェックしながら学習を進めていくことを忘れないようにしましょう。試験では最新の法令に基づいた知識が問われますので、古い情報のままでは不利になってしまう可能性があります。
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