土木現場や建設現場などで、しばしば使用される建設機械のひとつとして知られているブルドーザー。土木施工管理技士として現場での役割をしっかりとこなしていくためには、ブルドーザーの種類や役割、どういった場面で活躍させることができるか、そして操作するにはどのような資格が必要であるか、といった知識を身に付けておくことが求められます。
ブルドーザーは整地用機械のひとつで、土砂の掻き起こし作業や運搬、地ならしなどをおこなうために必要な機能が搭載されている建設機械です。
トラクターの前面部分にはブレードが備わっています。ブレードは、ブルドーザーの進行方向へと土砂を押し出したり掘削したりするための排土板のこと。ブレードの前端部分に重量をかければ、押し出しや掘削ができます。また、ブレードは、用途に応じて付け替えることができます。例えば、抜根作業には、櫛状になっているタイプなどが採用されることが多いです。
また、キャタピラーの特徴的な構造も、ブルドーザーの特徴のひとつです。起動輪にぐるりと金属製あるいはゴム製の板が連結し、ベルト状の構造になっているため接地面が大きくなります。したがって、かなりの悪路であっても走行が可能で、海外ではキャタピラーでなく、ゴムタイヤを付けたホイールタイプのブルドーザーもよく使用されます。
土木現場や建設現場のほか、ダム工事の現場や宅地造成など、さまざまなシーンで活躍する建設機械です。作業内容に必要に応じて、アタッチメントを付け替えられるので、パイプ埋設工事や溝堀工事などでも役立てることができます。適応力の高さや便利さが大きな魅力だといえるでしょう。
さらに、このごろでは、無線遠隔作業が可能なブルドーザーも開発されています。そのため、海底など、人間が入って作業することができない現場の作業にも利用されるようになっています。
ブルドーザーには、乾地車と湿地車があります。通常の工事現場であれば乾土車で充分ですが、湿地など、ぬかるんだ軟弱地盤で工事をおこなう場合には、乾地車を安全に使用することは難しいといえるでしょう。無理に使うと、行動不能などの状態に陥ってしまう可能性があるからです。
湿地車であればぬかるんだ地盤でも使用できます。クローラの幅が大きく、接地圧が抑えられているのが特徴です。接地圧が低いと、地面がぬかるんでいて軟弱であっても、比較的走行しやすくなります。湿地車は、雨が多い日本ではとても使い勝手のよいブルドーザーであるといえます。
ブレードではなく、バケットがついているブルドーザーです。おもに土砂や鉱石の運搬作業、盛り土工事などに使用されます。
ブレード両面にならしや運搬のための機能が備わっているブルドーザーで、両面使用が可能です。
浅瀬や海底などの現場でも使用可能なブルドーザーです。基本的には遠隔操作で使用します。
ブルドーザーのような3トン以上の車両を運転・操作するためには、車両系建設機械運転技能の国家資格取得が必須です。指定の教習機関で、学科講習と実技講習に参加します。18歳以上であれば参加が可能です。それぞれの講習で学ぶ内容は、次のとおりです。
参照元:建設業労働災害防止協会公式HP(https://www.kensaibou.or.jp/seminar/branch005.html?page=1)
※各支部にて詳細をご確認ください。
ブルドーザーは、幅ひろいシーンで使用される便利な機械です。アタッチメントを替えて、さまざまな作業を器用にこなすことができます。さらに、遠隔操作ができる進化型のものなど、これからもさらなる変化が予想されるのが重機の世界です。工事を管理する立場である土木施工管理技士としては、重機にもしっかりと注目していきたいところです。
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