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埋め戻し

こちらでは、埋め戻しという作業について解説しています。土木施工管理技士として活躍したいと考えている方であれば、ぜひ知っておきたい土木工事のひとつです。埋め戻しの作業内容や基準、使用される土、作業方法、実施する際にふまえておくべき注意点などをみていきましょう。

埋め戻しとは

「埋戻し」という名称どおり、土を埋め戻す作業のことをいいます。基礎をつくる前の状態に近づけるように土を戻していきます。掘削した部分を、工事で発生した余剰分の土を使って埋め戻していく作業です。実施するタイミングは、基礎コンクリートや地階などの建築が完了し、かつ、その型枠の解体を終えたときです。

埋め戻しの基準

埋め戻しをする際の基準となるのは、もともとの地盤です。もちろん、建築工事などを始める前とまったく同じ状態に戻すことはできません。採用した工法の種類によっては、地盤は一旦破壊されている場合もあるので、なおさらです。ですから「できるだけ」もともとの状態に近くなるように埋め戻していくことになります。

そのためには、対象の施工現場にとってベストであると考えられる方法と適した材料を選択することが重要です。

埋め戻しに使われる土

ひんぱんに使用されている土の種類として最初にあげられるのが、砂です。セメント系の材料の使用を避けたいという考え方や、コストをおさえやすいことなどが、砂を選ぶ主な理由です。

ただ、砂を使う場合、締め固めや転圧などの作業をしっかりと実施するのが、困難なこともあります。施工現場の状態をあらかじめ正確に把握したうえで、これらの作業が可能であるのかどうかの検討を充分にしておくことが求められます。

セメントミルク

セメントミルクは、セメント、水、その他各種の混和剤を混ぜ合わせた物質です。地盤改良工事や山留工事などで広く使われる材料として知られています。埋め戻し作業においても、採用されることがあります。

配合量の管理を徹底させれば、ほとんど同一といえる品質のセメントミルクをつくることができるため、工事の進捗状況や突然のトラブルなどにも対応しやすいことが、メリットとしてあげられます。

流動化処理土

流動化処理土は、建築現場で発生する残土に水・セメントを混ぜ合わせるとできる物質です。資源循環型の埋め戻し材として知られており、流動性があるのが特徴です。転圧用の機械を使用した締め固め作業が困難な場所で埋め戻しをおこないたい場合などに、よく使用される土です。

流動化処理土のデメリットとして、時間の経過とともに硬化していく性質があるので、調整が難しいことがあげられます。

埋め戻しの方法

埋め戻しの方法として、次のような例があげられます。

ユンボを使用して埋め戻し場所に土を入れる方法

最初に、ダンプを使って土を運搬します。ユンボの近くに、運搬した土をあけておきましょう。そして、ユンボを使って、埋め戻し作業を実施する場所に土を入れます。建物の条件や構造などによっては、ユンボのアーム部分が建物の外周部から届かないことがあります。その場合には、ユンボを基礎上に乗り上げ、建物の内部に入ってから埋め戻し作業をおこなうことになります。

クレーンを使用して埋め戻し場所に土を入れる方法

ダンプで土を運搬し、運搬した土をユンボ付近にあけます。そして、その土を、ユンボを使ってクレーンのバケット部分に入れます。埋め戻し作業自体は、クレーンでおこなうことになります。基礎や鉄筋を傷つけてしまう可能性があるときに、クレーンを使った作業が必要になるわけです。

埋め戻しをする際の注意点

埋め戻し作業になんらかの不備があると、のちにさまざまな問題を引き起こす可能性があるので、注意が必要です。たとえば、埋め戻しが不完全だと、地盤の不良化や陥没などにつながるおそれがあります。地震が発生した場合に、埋め戻した土砂が液状化し、埋設物にダメージをあたえてしまう可能性もゼロではありません。

地盤の性質や状態をしっかりと把握した上で、質の高い埋め戻し作業を実施しておくことが大切です。

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